取材記者BOOのアラモード

<2017年6月10日>
◆そごう・西武百貨店は6月3日から「昭和」をテーマにした夏のスイーツを売り出した。20〜30歳代の婦人服PB「ハニカムモード」を展開するカフェ「ハニカムキッチン」で近年人気を集めているフルーツサンドやかき氷を販売し、婦人服売り場でのメニューを充実させ売り場に興味を惹くことが狙いだという◆インスタグラムなどの交流サイトで喫茶店やレコードなど昭和に関連したものに女性の人気が集まっていることに注目し、懐かしさを感じるメニューの開発を決めた。展開するのは、フルーツサンド2種、かき氷3種、フルーツジュース4種◆フルーツサンドは、全粒粉を使った低糖質のコッペパンに旬のシャインマスカットやアメリカンチェリーを挟んだ。クリームチーズやカスタードクリームを入れることで独特な味わいの全粒粉コッペパンが食べやすくなる。価格は各税込486円と高め◆かき氷は、食べながら美しくなれるスイーツを目指し、イチゴ味には満腹感を感じやすく栄養価の高いチアシードをトッピング。抹茶あずき味には中性脂肪を減らす「オメガ3脂肪酸」が豊富な生ミルクなどを入れ、美容の悩み別にスーパーフードでも商品が選べるなど懐かしさの中にも新しさを採り入れている◆このような事例を参考に売上が下がる夏場を乗り越えていただければ幸い

<2017年5月10日>
◆自分の店を開きたい夢はあっても、年齢や準備期間を考えると躊躇して踏み出せない人は少なくない。インスタント職人を養成する各学校は若者や中高年などそれぞれの世代の不安や不満を上手く吸い上げている◆特に若い世代は長い下積みを嫌がり効率性を求める傾向が強い。短期間で即戦力になれるのなら100万円近い投資も高くないらしい◆人気ベーカリーが運営する研修センターでは、感覚という職人技を排除し、徹底したデータ化(数値化)で未経験者でも5日間で製パン方法がマスターできるという。国産小麦粉を数種類ブレンドしたオリジナル粉を使用することにより、約200種類の無添加生地のパンが作れ、独自開発のミキサー・小型オーブンなどの設備を導入することで初期投資を軽減して開業できる正に夢のシステムがあり、修了者は20〜60歳代の男女約500人。独立開業したベーカリーは約130店舗にのぼるという(日経MJに掲載)◆修行の経験を持つある寿司提供企業の事業部長は「短期間の学校を卒業した時点では、ある程度の技術が身に付いているかも知れないが立ち振る舞いなどに深みが出ない。間合いや手際の良さなど下積みで得られるものは多い」と話している◆にわかパン職人が作るパンに深みがないことは、消費者がいち早く見分けることだろう

<2017年4月10日>
ある講演会での話。講師は数年前から各地で行われている官民共同プロジェクトの事例を次のように紹介した◆地方都市で県・市が企画して、民間企業の知られざる食品の情報を発信しするとともに全国的認知度を高め、参画商品が売れ観光客誘致に繋げて、町の活性化を図るというもの◆同地域の人だけが知っていて他の地域や県外の人が知らない隠れた人気やこだわりの食品をクローズアップすること。参画企業が少ない場合でも知名度のある商品を仕方なしに入れるのではなく、主催者が様々な情報を収集することによって銘品を見つけ出す。というコンセプトが掲げられた◆公募と推薦によりコンセプトに合った食品で一定数を満たしたが、どうしても納得できる商品数点を見つけ出すことができず、数点であれば知名度があっても良いのではというコンセプトから外れた意見が出た◆しかし、官の担当者はそのような意見に耳を傾けず、掲げたコンセプトを貫く姿勢を崩さなかった結果、隠れた銘品を発掘できプロジェクトが成功、町興しの起爆剤となり、現在も改善しながら継続させている◆一つでもコンセプトと違うものが入ると全体に影響を及ぼし、企画の全体像がぼやけてしまうという実例であった◆店に並ぶパンが自店のコンセプトに合致しているか定期的に確認する必要があると思う

<2017年3月10日>
◆先月、旧友と青森県の津軽地方を旅行した。伊丹空港6時半集合で、パン製造をしない私にとって未知の時間帯に起床し、暗闇の中を空港に向かった◆搭乗手続きを済ませ、保安検査場へ。そこで、トラブルが起こった。前日に調達したターボライターが持ち込みも手荷物扱いも禁止と言われ、唯一のライターを没収されかけた。禁煙が大きなストレスになることを伝えると普通のライターを貸してくれ事無きを得た◆無事、晴天の青森空港に着き、レンタカーで五所川原に向けて走り出した。途中、完璧に除雪された高速道路から冠雪の岩木山が眺められた。なぜ五所川原かというと、ストーブ列車に興味を持ち一度乗ってみたいと思っていたから。津軽の冬といえば、鉛色の雲が低く垂れ込め、背を丸めて歩く人に容赦なく横殴りの雪が吹き付けるイメージだが、当日は新雪が眩しくて、明るく楽しそうな雰囲気が伝わってきた◆待望のストーブ列車、酒とスルメを用意して乗車するのかと思いきや楽しむグッズは全て列車内で販売されていた。しかも、若くて愛想の良い女性が2人添乗。スルメを買うと車載ストーブで、かじり頃に炙って席まで運んでくれた。30分程の乗車時間だったが普段では味わえない満足感を感じた◆厳しい状況が続くが、たまにはリフレッシュすることも必要だろう

<2017年2月10日>
◆世の中には様々な方法で「付加価値戦略」を追求している。少子高齢化や人口減少社会突入などマイナス志向が占拠し、消費低迷に拍車をかけているため、その打開策として用いられている◆時の流れとともに言葉の意味も変化するように、辞書通りの「付加価値」が今、当てはまっているのかと疑問を持つ◆例えは飛躍するが、かつてパリ地下鉄にはファーストクラスがあった。それは、硬いシートを軟らかいシートに替えて居住性と乗り心地を良くして価値を高めた。それが当時の価値観であり、ステイタスであったのだろう。現在の女性専用車両はそれに相当しないが、さらに時代が進むと70歳以上や10歳以下専用車両ができるかのかも知れない。そこで、予測もしない価値観が生まれ、そのニーズに応じることが「付加価値」の創造になるのかも知れない◆今あるものに何かを加えて価値を高めるのではなく、先を読んで行動することや消費者が求める真の満足度を追求することになる、すなわち「先回りする」がキーワードになる◆既存より価値ある商品を高値で販売することは、パン業界の就労条件や環境改善に繋がるため大賛成で、顧客に喜んでいただく製品を提供することは基本だが、もし「先回りする」工夫を加えたならば、さらに顧客との強固な信頼関係が築けると思う

<2017年1月10日>
◆あけましておめでとうございます。平素は弊紙をご愛読いただき、誠にありがとうございます。今年も何卒変わらずご愛顧賜りますようお願い申し上げます◆昨年は予想もしない自然災害が各所で起こった。被災された方々には、心からお見舞い申し上げるとともに一日も早く日常生活を取り戻されることを祈念する。また、様々な想定外の事象が多い年でもあった◆企業や地方自治体、日本、世界の国々などが連携という横の繋がりで生じる共生の精神が少し薄れ、個人や自国の営利を優先しているように思える◆英国のEU離脱賛成、トランプ次期大統領への投票は、世界的な立場よりも自国の繁栄だけを期待した結果のように映る。国内では、東京オリンピック・パラリンピック開催にまつわる誘致や施設建設で利害が右往左往しており、主役である選手を気遣う心が感じられない。事の大小に関わらず周りを構っていられない状況かも知れないが、世界中が組織や集合体の持つ力、周りとの関係性を軽視して自己の利益主義に走ってしまうと1940年代のような結末を繰り返すことにならなかいと危惧する◆このような時こそ、会社同士、組合同士が相手を思い遣り硬く手を組み、組織力で対抗しなければならないと思う◆2017年が皆様にとって無事で素晴らしい年になることを切に願う

<2016年12月10日>
◆日本のクリスマスは1552年、現在の山口県山口市でカトリック教会の宣教師が日本人信徒を招いて降誕祭のミサを行ったのが初めてとされている。しかし、その後江戸幕府の禁教令によってキリスト教は禁止され、明治の初めまで約200年以上隠れキリシタン以外は全く受け入れることがなかった◆1900年、明治屋が銀座に進出した頃からクリスマスが受け入れられ、商戦が始まったと言われている。クリスマスはイエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭であるが、キリスト教で最も重要な祭は復活祭(イースター)である◆復活祭は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを記念・記憶するキリスト教で最も重要な祭。基本的に「春分の日後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日が変わるが必ず日曜日に祝われる◆復活祭には、卵・バター・乳などをふんだんに使った復活祭独特の菓子パンやケーキが作られる。ドイツでは「オスターフラーデン」という円形のパンを食べる。イタリアでは、ハトをかたどった菓子パン「コロンバ・パスクァーレ」を作る地域も多い◆2010年代に入り日本でも「イースター」要素のイベントや商品展開が各業界で始まっているという。パン業界が一致協力してイベント定着化を主導してほしい

<2016年11月10日>
◆顧客満足度の向上と言われて久しいが、サービス産業生産性協議会は2015年度の日本版顧客満足度指数第1回調査として、6業種(CVS・シティホテル・ビジネスホテル・飲食・カフェ・事務機器)における延べ64企業もしくはブランドの満足度を発表した◆業界に関連する業種の顧客満足1位は、CVS:セブンイレブン、飲食:モスバーガー、カフェ:ドトールコーヒー◆セブンイレブンは顧客満足のほか顧客期待・知覚品質・推奨意向・ロイヤルティの4指標で1位、知覚価値で2位と高い評価を受けている。2位セイコーマート、3位ミニストップ◆モスバーガーは顧客期待・知覚品質・推奨意向・ロイヤルティで評価が高い。2位スシロー、3位リンガーハット◆ドトールコーヒーは顧客期待・知覚品質・知覚価値が高い評価を受けた。2位ベローチェ、3位はスターバックス◆一方、元三公社五現業から民営化した大手鉄道会社などは、未だに「官」の色が濃く、自社のコンプライアンスを厳守するがゆえに一般企業では考えられない接客が行われることがあり改善を望む◆顧客満足度指数がパン業界に当てはまるかは定かでないが、良いとされる内容を採り入れるとともに、客目線の接客ができているかどうかを見直し、改善と教育を行って満足度を上げる必要があるように思う

<2016年10月10日>
◆リテイルベーカリーでは、後継者不在や従業員の高離職率・低定着率で管理職に大きな負担がかかり、体力的に厳しい労働環境に陥っていることが現状だと聞く。これは、パン業界に限ったことではなく、中小企業全体が抱える問題のようだ◆経営者は、技術や知識を覚え、早く一人前になって会社(店)と業界を支えてほしいという精神が込められているのだが、受け入れる側は、単に作り方と材料をすぐに習得しようと思っているようだ◆本来は会社や社長の精神を継承することが重要で、その精神にはレシピや製造方法が含まれている。上辺の作り方だけを真似しても、根底を支える精神がなければ「〜のようなもの」になってしまう◆決して若者全てが同じ考え方ではないが「技術」という単語を誤解しているように思える。積み重ねた歴史と事を成し遂げる精神があって「技術」と呼べるのではないだろうか。また、それが真の職人魂だろう◆しかしそれを伝えることは難しい。先ず、現在職人域に立つ人が、精神の重要性を根気よく教え、夢やビジョンを語るコミュニケーションが大切だと思う◆全パン連の西川会長は、ことあるごとに「パン業界で働いて良かったと思える業界にしたい」と言う。その裏に「正しい精神でパンに立ち向かえ」という言葉が聞こえる

<2016年9月10日>
◆酷暑と言われた今年の夏も、ようやく終息の兆しが見え、胸を撫で下ろしている人も多いことだろう。一方では、8月に3度も北海道に台風が上陸したり、伊豆諸島沖で発生した台風が一旦南下して再び日本列島を襲うという超迷走現象が起きて、東北・北海道に甚大な被害をもたらした。被災地の皆様方には、心から御見舞申し上げるとともに、一日も早い復旧を祈念する◆今夏の目玉は、何と言ってもリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック。オリンピックでは41個のメダルを獲得し、パラリンピックでは柔道の「銀」1個だったが、日本代表選手の健闘ぶりが随所に見られた。メダリストたちは、今までの練習成果を讃するとともに、修正点を克服して今後の試合運びを頭に描いているに違いない。盆の期間は、全国高校野球選手権大会と相まって、眠る時間がなかった人も多かったと思う◆リオ五輪で銀メダルに輝いた女子レスリングの吉田沙保里選手は、4大会連続「金」こそ逃したが、心に残る戦いぶりだった。「霊長類最強と言われていますが、私の娘で人間です。負けることもあります。銀メダルを誇りに思っています」という実母のコメントが印象的だった◆秋の商戦に向けて、準備を進めているベーカリーだが、客に感動を与える商品でパンの需要拡大を獲得してほしい

<2016年8月10日>
◆今年は、早い時期から暑い日が続き真の酷暑と言える。しかし、思い立ったら簡単に行ける涼しい場所があるので紹介する◆気温は基本的に標高が100m高くなるにつれ0.6℃下がるといわれる。海抜0mで35℃の場合、1000mだと29℃、1500mだと26℃、2000mだと23℃になる。23℃のところまで行くとさすがに涼しい。とはいえ2000mなんて山の上。行くまでが大変だと思うが、標高の高い場所を走る国道なら、誰でもクルマでドライブできる。酷暑の今年、ぜひ、パンのランチを持って通ってみては。真夏とは思えない気持ち良さと自然の中で味わうパンの味が満喫できるだろう◆国道120号金精峠1843m。奥日光から丸沼高原へ抜ける栃木県と群馬県の境が金精峠。峠はトンネルで通過。このトンネルは国内で最も標高が高いところにある◆国道299号麦草峠2127m。長野県佐久穂町と茅野市の境にある麦草峠が同国道の最高地点。麦草峠を挟んだ区間は、美しい景観から日本のメルヘン街道と呼ばれる◆国道292号渋峠2172m。群馬県から長野県にかけて有名観光地をいくつも通るが、渋峠はそのうちの草津と志賀高原の間にある。スキー・スノーボード好きなら志賀高原の横手山渋峠スキー場は知っているはず。渋峠はこのスキー場のちょうど最上部にある

<2016年7月10日>
◆熊本地震で落ち込んだ九州の観光業復興を目指すキャンペーン「九州ふっこう割」が7月1日から始まった◆同日からインターネット予約サイト11社で宿泊・ツアーを最大5〜7割引で販売。7月上旬以降、大手旅行会社の窓口でも旅行商品を販売。中旬からCVS各社が九州内の4県で使える割引宿泊券を販売予定で、熊本県は旅行サイト「VISIT熊本県」で宿泊券を販売するという◆九州ふっこう割は、国の補正予算約180億円を活用し熊本・大分県は最大7割引、その他5県は最大5割引の商品を販売している。但し、割引額は最大3万5千円。消費者は主に@インターネットA旅行会社の店舗BCVS各社で割安な旅行商品や割引券を購入できる。宿泊予約や交通手段がセットになった旅行のほか、陶芸やスポーツなどの体験型商品も割引対象になっている。対象商品には共通ロゴマークや割引額が明示される◆九州ふっこう割とは別に、各県が展開するクーポン事業では約1週間で売り切れる事例もあり、効果をどう持続させるかも課題になりそうだ。九州観光推進機構(福岡市)は宣伝を強化し、年末までに150万人分の宿泊回復を目指している◆ベーカリーでも福利厚生の一環として、このような取り組みを活用し復興に貢献しては◆詳しくは「九州ふっこう割[検索]」で

<2016年5月10日>
あるテレビ番組でミネラルウォーターの特集をしていた◆1990年代に入り水道水の不安から茶と同様にブームが起こり今や年間2600億円に成長した。メーカー同士の競争も激化しマイナスイオン水やゲルマニウム水など美容や健康に良いとされる高級水が出現している◆大阪大学理学部物理学科教授は、水の科学っぽい説明に騙されるなという◆科学に思えるような言葉を使っているだけ。水のビジネスには科学的な根拠がほとんどなく、パッケージや広告には効果や効能が書かれていない。それは、効果や効能が証明されていないため法律上書くことができないから。消費者が勝手に良いものだと認識しているだけで、研究段階レベルや研究すら行われていないものが大半を占める。水は体に欠かせないが、毎日飲む水を代えるだけで健康になれるというのは虫が良すぎる。水に過剰な期待をしてはいけない◆水道水は危険というイメージは間違っている。水質基準項目数や含有成分のハードルは水道水の方が高い。水道水は毎日飲むものとして基準値が定められているが、ミネラルウォーターはたまに飲むものという位置付け。文化は逆転したがルールは旧施行のまま残っている。なお、大阪浄水場は世界一レベルが高いらしい◆このような視点で原材料を見直すことも重要だろう

<2016年4月10日>
◆日本経済新聞の4月4日朝刊に主要30業種の天気図(4〜6月産業景気予測)が掲載されたのでパン業界の関連業種を抜粋した◆食品・飲料:乳製品や菓子などで値上げが相次いだ昨春と比べ、今春は原料価格の変動が落ち着いていることもあり、値上げの動きは総じて鈍い。食品各社は商品ラインナップを絞り込み、需要が伸びている分野や強みのある商品に集中する傾向を強めている。高付加価値商品が支持を得られるかが、収益改善のポイント◆CVS:2年前の消費増税の影響をぬぐいきれない。中堅チェーンを中心に苦戦が続く。各社は、生鮮品や冷凍食品、日用品など品揃えの薄かった商品群を強化して集客力向上に努める。節約志向を強める消費者に的を当てた商品開発も活発に。利便性を高めてスーパーの顧客を取り込む動きが広がりそう◆スーパー:マイナス金利の導入や春季労使交渉の賃上げが前年に比べ小幅になる見通しになったことで、消費者心理が冷え込む恐れも。競争激化による客数減をどう補うかが課題◆百貨店:インバウンド需要の伸びは鈍ってきたが、引き続き堅調に推移する。しかし、国内の賃金や賞与の伸びが鈍い中、売上を支える中間層の消費がどこまで回復するかが焦点◆周りの状況から自社(店)の対策を練り、実践して、結果を出して欲しい

<2016年3月10日>
◆ある会合の挨拶で「パンの販売価格を一律10円値上げすることによりパン業界で働く人が豊かになれる」という内容の発言があった◆経済産業省が出している工業統計で数字のシミュレーションを試みたが特定できる有効な統計がなく、大雑把ではあるが、仮説のベーカリーで検証することにした◆1日平均5万円を売り上げ、経常利益率が25%とする。パンの平均単価を200円とすると1日に250個を製造することになる。パンの価格だけを上げて製造原価は変化させないとすると、10円×250個=2,500円/日利益が増える。25日稼働として月間で62,500円、年間では750,000万の増収増益となる◆しかし、価格だけ上げるということは消費者が納得する訳がない。やはり、価値に相当した価格でなければならないが、工夫することによって、必ずパン業界は豊かになれるという投げ掛けだと思う◆前述のシミュレーションをどのように評価されるかは別として、日々の小さな積み重ねが大きな結果に繋がる◆秘密のケンミンショーをご存じだと思うが、常識だと思っていることが実は特異で非常識という域に達していることもある。毎日目にしているものが、周囲から見ると新しい感覚で認識されるようだ◆普段見過ごしていることをシンプルに考え直すことが必要かも知れない

<2016年2月10日>
◆久しぶりに行った家族旅行で感じたこと。先ずは手配の段階。家族の意向を反映させて日程を決めるとなると帯に短し襷に長し状態。そこで、パッケージツアーから選ぶことにしてツアー会社に連絡した◆応対してくれた係員は、要望を全て聞き入れ最適なプランを提案してくれた。それだけではない。翌日、電話で自分が提案したプランに不満はないかというフォロー。PCメールをみると丁寧な文章で御礼まで届いていた◆今まで、旅行の申込というと事務的な作業で「そんな無理を言われても」という声が聞こえてきそうな対応が普通だと思っていたが、そのツアー会社には当てはまらず、旅行をする前から良い気分になれた。これが付加価値の教育なのだろう◆旅行中、土産を買いに老舗のカステラ店に入った。店内には小さな机と椅子が用意それており腰掛けるよう勧められた。座ると茶が出てきて家で切る大きさのカステラを試食させてくれた。係員は「当店で2番目においしいカステラです」とだけ伝えた。質問には応対するが、先に商品説明をすることはない◆聞くことに徹するという教育なのであろう。結局、一番おいしいとされる高いカステラを納得して買った◆ベーカリーにこれらのことを置き換えるのは難しいが、付加価値を考えるという意味で参考にしていただきたい

<2016年1月10日>
◆あけましておめでとうございます。平素は弊紙をご愛読いただき、誠にありがとうございます。今年も変わらずご愛顧賜りますようお願い申し上げます◆変化に順応しなければ淘汰されるということを身に染みて感じる出来事があった◆昨年末、忘年会で大阪ミナミの繁華街を歩いていると、30年来付き合いがある鮨店のシャッターが降りていたので、不信に思い近づいてみると貼り紙あった。〜長い間、ご愛顧いただきましたが〜という閉店告知だった◆30年前、先輩に連れて行ってもらった時は、安くてネタが新鮮で旨い。これなら、自分一人でも来ることができ、2〜3人なら後輩を連れてくることもできると思った◆時代はバブルの崩壊から長いデフレが続いて、ものの価値が大きく変わってしまった。しかし、その店は味は変わらなかったが値段も変わらなかった。安くて旨いという価値は、私世代の勘違いで、現代の若者にとって、もはや高級鮨店になっており、私が先輩に教えられて繋いだ30年間のように後輩たちが継承できなくなって客が激減し廃業に追い込まれたのだと推測する◆商環境の変化が時代にそぐわない店舗価値にしてしまったようだ◆パン業界も他山の石ではない。環境に適応して長続きする店で在り続けるためには、変化を敏感に察知する力と実行力が必要であろう


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