取材記者BOOのアラモード

<2019年5月10日>
◆10日間もあった今年のGW。「連休どころではなかった」という人、「連休が過ぎてどうもやる気が出ない」という人など様々だと思う。そんなGW後に要注意なのが「五月病」と呼ばれる心の病。新入社員や新入生が環境に適応できないことを起因にかかるといわれているが、そうでない人でもかかることがあるという。そんな「五月病」を少しでも回避できる「五月病対策」を考えてみたい◆原因は、3月の次年度への不安、入学・就職などの大きなイベントに付随する環境の変化などによる強いストレスや社会的なセーフティネット(個人や企業に経済的なリスクが発生したとき最悪の事態から保護するしくみ)へ繋がれない(繋がらない)人の悲観的な気持ちの高まりなどや、4月の間に大きく変化した環境に対するストレスからの一時的な開放から、再びストレスと向き合うことへの恐怖や新しい環境に順応できなかったストレスの再燃など「ストレス」が最も影響していると推察される◆もし周りの人で、連休明けに心が悲鳴を上げていると気付いたときは、なるべく早めに声を掛けるか、誰かに話を聞いてもらうように勧めよう◆一人で抱え込んでいても、気付きに繋がることは少ないが、対話することで気持ちが整理されて、対話によってストレス打開のヒントが得られるかも知れない。

<2019年4月10日>
◆財務省は4月9日、千円・5千円・1万円の紙幣を2024年上半期に一新すると発表。2004年以来20年ぶりとなる◆新紙幣の表図柄は、千円:北里柴三郎、5千円:津田梅子、1万円:渋沢栄一。世界初となる偽造防止技術が採用される。裏図柄は、千円:葛飾北斎の富嶽三十六景、5千円:藤、1万円:東京駅舎◆北里柴三郎は、第1回ノーベル生理学・医学賞最終候補者、北里大学学祖、慶應義塾大学医学部創立者、同大学病院初代病院長。日本の細菌学の父として知られペスト菌を発見し破傷風の治療法を開発するなど感染症医学の発展に貢献した◆津田梅子は、日本における女子教育の先駆者と評価される。女子英学塾のちの津田塾大学創立者。岩倉使節団に随行して満6歳で渡米。帰国後、学習院女学部から独立し設立された華族女学校で英語教師として教鞭に立った◆渋沢栄一は、第一国立銀行や東京証券取引所、一橋大学、東京経済大学など多種多様な企業・学校の設立・経営に関わり、日本資本主義の父ともいわれる。実業界でも社会活動に熱心で、養育院院長を務めたほか東京慈恵会、日本赤十字社、ハンセン病予防協会の設立などに携わり財団法人聖路加国際病院初代理事長、財団法人滝乃川学園初代理事長などを歴任した◆庶民生活に潤いをもたらす消費拡大に繋がることを願う。

<2019年3月10日>
◆「人生100年時代」の到来が話題に上る昨今、早くから定年後について考え、会社を飛び出して生き方を変えるなど老後を充実させるための「老(おい)活」に取り組む動きが広まっているという。新しいことへの挑戦や勤労の目標、趣味の充実、コミュニティー探しなど、人類が経験したことのない長寿化時代を生き抜くために金融資産の備えに加え、時間の使い方を一層大切にする人が増えている◆ある福利厚生代行業企業が、会社員に定年後の暮らしの知識や仲間を得る場を提供するイベントには定員の3〜10倍もの応募があるらしい。昨年6月に始め約160社5000人ほどが会員として登録しており、イベントへの期待は徐々に大きくなっている。イベント自体は、地酒と料理を解説付きで楽しむもののようだが、同世代の者同士が交流を深め、人脈を作り、新しい趣味、暮らしの知恵を退職後に活かすことを本来の目的としている◆定年後の人生は30〜40年。地域に根差さないサラリーマンにとって会社を離れることは居場所を失うことを意味する。定年目前で準備しても遅い。早めの備えを行う40〜50代のニーズは高いと見られる◆飲食に関連する「老活」サービスは、パン業界でも実行が可能。人手不足に悩まされてはいるが、少し先を読んだ取り組みに着手する必要性を感じる。

<2019年2月10日>
◆先日、流通紙に次のような記事が掲載されていた。リテイルベーカリーが展開できるか否かは別にして参考にしていただければ幸い◆タルトやアップルパイ、店に並ぶのは原則1種類、1つの味だけ。ブランド名は異なるが運営はいずれも同じ会社。包装や店舗デザインに趣向を凝らし、おやつや手土産の需要を取り込んでいる。他にも「クロッカンシューザクザク」や「プレスバターサンド」など7ブランドを擁する◆セントラル工場などで作った半製品を店頭で焼き上げ、出来立て感を強調している。25Fほどの売場で多い時には1日6千個が売れるという。現在、国内外にそれぞれ約50店舗を展開◆同社の創業は2013年。海外の物産展で、たまたまチーズタルトをその場で焼いて売ったところ好評となり、手応えを感じ独立したという。「ショーケースに何種類も商品を並べる商売は大変だが、ひとつだけなら店を構えることができる」と思い専門店を選んだ。1品だからこそ味を磨きやすく、材料も厳選してまとめて調達でき、知名度が上がれば利益が出やすい◆その利益を包装や店舗デザインに回し、ブランドごとにテーマカラーを設定してインパクトを出している◆1品に絞ったことで、あらゆる管理やオペレーションが単純明解。シンプルな仕事なので人手不足で困ることもないらしい。

<2019年1月10日>
◆あけましておめでとうございます。平素は弊紙をご愛読いただき、誠にありがとうございます。今年も何卒変わらずご愛顧賜りますようお願い申し上げます◆総務省統計局の家計収支編を見ると、2017年の二人以上の勤労世帯(平均世帯人員2.66人、世帯主の平均年齢47.1歳)の消費支出は、1世帯当たり1カ月平均271,136円で、前年に比べ名目1.1%の増加。また、物価変動の影響を除いた実質では0.5%の増加。可処分所得(実収入から直接税・社会保険料などの非消費支出差引)額は、二人以上世帯のうち勤労者世帯で382,434円。前年に比べ名目で1.6%、実質で1.0%の増加となった◆2018年10月の勤労者世帯のパン消費支出額は2,833円。穀類全体の40.1%を占めトップ。米は2,515円(35.6%)、麺類1,347円(19.0%)、その他穀類376円(5.3%)。また、品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(二人以上世帯/2015〜17年平均)では、米の消費金額1位:新潟市(30,083円)、2位:静岡市(29,714円)、3位:札幌市(29,226円)、全国平均(23,395円)/パンの消費金額1位:京都市(38,915円)、2位:神戸市(38,179円)、3位:岡山市(36,900円)、全国平均(30,253円)。

<2018年12月10日>
◆12月5日の日経MJで2018年ヒット商品番付が発表された。「平成最後にふさわしい商品・サービスが並んだ。30年間を懐かしむかのように『ダサかっこよさ』を含め若い世代の間で過去の流行がリバイバル」とある◆東の横綱は安室奈美恵。平成の歌姫が9月に引退。ファイナルツアーは80万人を動員し国内ソロアーティスト史上最多。ベストアルバムの販売は241万枚を突破したという◆西の横綱はTikTok。音楽に合わせて15秒の口パク動画を投稿する中国発SNSアプリ。若者を中心に世界で5億人が利用。世界最大のユニコーンでも話題になったという◆食品関連は低調のようだが、東の関脇にキリンビール「本麒麟」が登場。アルコール度6%の第三のビールで3月の発売で既に3億本を突破。東前頭にもち麦おにぎり。CVS各社が大麦の一種であるもち麦おにぎりを拡充。セブンイレブンは12月から1億2千万個を販売するという。もち麦などの大麦を使用したパンが商品化されているため来年のランクインに期待する◆唯一、西前頭に登場するのが1,000円食パン。1本(2斤)千円程度の高級食パンで風味や食感が話題を呼び専門店が続々とオープンしている。私見で日常品ではない価格と味の継続性に若干懸念している◆来年も業界が一つになってパン産業を盛り上げよう。

<2018年11月10日>
◆11月から年末にかけてボジョレー・ヌーボー解禁やフランスパンの日、クリスマスとパンを食べる機会が多いシーズンになる。特にフランスパンに代表されるハード系が消費者の購買意欲を活発にする季節であるだろう◆ところが、せっかく盛り上げたパンの消費意欲を和の象徴「正月」がパン気分を打ち消しているように思えてならない◆実際、総務省が出している家計消費状況調査結果でも、12月は3〜5月に次いで4番目の消費量であるのに対し、1月はパンが売れないとされる7・8月よりも少なく年間で最も消費量が落ちる。同じ寒い季節であるにも関わらず12月と1月では極端な消費低迷が示されており、1月の販売促進を具体化することによって年間で安定したパン消費が実現するのではないだろうか◆そこで、正月用パンを手掛けているいくつかの事例を紹介する。干支を模した「干支パン」やおせち料理とコラボした「季節商品」は定番であるが、煮汁入り黒豆甘煮コッペパン、栗きんとんサンドイッチ、鏡餅バーガー、正月用高級食パン、パン・スイーツおせち、外国人でも食べやすい「お節パン」など。正月用パンを作るためのパン教室を開催しているベーカリーやしめなわの飾りパンを販売する店もある◆来年1月は色々なアイデアでパンの消費拡大を実現していただきたい。

<2018年10月10日>
◆弊紙は今月で通巻1800号を迎えた。1950年10月に創業し、1951年1月の創刊以来67年10カ月という長い道のりだった◆創刊号第1面には「日本のパンに欠けるもの」と題して、次の文節が掲載されている(原文を現代漢字に変更)。『パンが主食である限り、科学的に管理された製造工程が機械化された設備の上に現れ常においしいパンが廉価に市場に供給されなくてはならない。製造に科学性のない限り安価にして良質な主食として大衆に満足を与えることはできず、遂には大衆はパンを食べないようになってしまうであろう。即ち、パンを大衆の主食とするためには製造が科学的に合理化されなくてはならないのである』◆主食として確立していることと、様々な技術の発展に伴い、機械化による品質の安定で消費者(大衆)は安価でパンを手に入れることが達成できた。しかし、合理化は今でも生産性向上や付加価値生産性などといわれており、業界の基本的課題は永久に続くもののように感じる◆ベーカーズタイムス社は、再来年に70周年を迎える。100年、150年と時代の変化とともにかたちを変えて愛されて継続する会社でありたいが、中期目標として1700号を通過した2010年6月に2000号の達成を宣言している。今後もパン産業の発展に少しでも貢献したい。

<2018年9月10日>
◆最低賃金時間額が10月以降(都道府県によって発効日が異なる)改定された。平成30年度地域別最低賃金額は全国平均で874円/時間となり、昨年比で26円引き上がった。最も高い東京都が985円/時間、大阪府でも936円/時間、最も低い鹿児島県が761円/時間となった。5年前の平成26年は780円/時間で比率にすると平均12.1%も上昇したことになる◆一方、総務省の報道資料「消費者物価指数」によると、平成26年を100とした場合、総合で101.3%、食料で106.2%になっており、最低賃金額が桁違いに高騰しているこしが判る◆これでは中小企業だけでなく大手企業でも労務費率が上がり経営を圧迫することになり、零細企業に至っては人手不足どころか、雇用が不可能となり廃業に追い込まれかねない◆パン業界の中で、兵庫県学校給食パン・米飯協同組合は、給食用パンの加工賃交渉を簡略化するため数年前から最低賃金額にスライドして上下する方式を県学校給食会との間で申し合わせているが、最低賃金額の急激な上昇にも関わらず、給食費の値上げができない状況下で学校給食会の財源が減少し、値下げ交渉を持ち掛けられないかと危惧している◆当事者であるパン業界が主体となり、この歪な経済環境を少しでも是正する取組ができると良い。

<2018年8月10日>
◆夏休みの最中。小学生の過ごし方でおもしろいアイデアを見つけたので紹介する。スタッフや部下に置き換えると参考になるかも知れない◆一緒に好きなものの食べ歩きをする:共通の好きなものを食べ歩くのは楽しいもの。周辺散策も思い出になり、会話がはずみ、共同意識が芽生え絆をさらに深める。1度は行ってみたいベーカリーに行くなどワクワクできるような提案をする◆BBQを楽しむ:家族も参加することにより一層の連帯感が生まれる。子どもが喜ぶ顔は大人の感激◆仕事体験をして社会を学ぶ:仕事体験ができるテーマパークで、将来なりたいと思っている仕事を体験させることも素敵な思い出になるが、自店で親の仕事を実感することは未来に繋がる。制服を着用させたり、給料を出すことも励みになる。自分も家族(会社)の一員であることを認識させ、家(店舗)のためにできることを継続させることで協調性が養える◆海に行ってサーファーデビュー:海に行くだけでも子どもにとっては最高にテンションがあがるが、一歩進んでサーフィン体験をすることで友達にも自慢できるアグレッシブな夏休みの思い出になる◆大人(経営者)の都合や考えで決めない。発信している希望をキャッチし実現をサポートすることが成長に繋がる。夏休みにそんな機会を作ってみては。

<2018年7月10日>
◆立ち飲み食いでステーキとワインを楽しむスタイルでコストパフォーマンスを追求して勢い良く店舗を拡大しているチェーン店で夕食を摂った◆「レア」が推奨ということで注文すると割によく焼けた肉が提供された。元に戻せないので完食したが、レジで「レアを頼んだがよく焼けていた」と伝えると、レジ担当の若い女性は、満面の笑みで「ありがとうございます」と答えた。文句を言うつもりではないが、少なくとも礼を言った訳ではない◆店舗拡大のスピードに社員教育が追いついていないのかも知れない。どんな商売でも自店の基本的なサービスは最低把握して客とコミュニケーションを図らなければならないと思った◆テレビで観たことだが、今年後半には人にICチップを埋め込み、CVS等で買いたい商品に近づけるだけで所有するスマートフォンからカード決済ができるようになるという。このIoT技術を採り入れることにより、常時人の所在確認ができ行方不明が回避できるようだ◆これを便利と感じるか、嫌悪感を抱くかは個人差があるだろう◆更に進むと、インターネットで人と人が繋がるのではなく、人がインターネットに繋がる日もそう遠くないらしい◆「支払」という行為が今後どう変化するか分からないが、人を介する温かなコミュニケーションを忘れないでほしい。

<2018年6月10日>
◆近年、消費者が多様化していると言われるが、そのような一面的な見方では消費者を十分に理解できているとは言い難い。モノが溢れている社会で消費者は独自の視点を持ち、それぞれの分野で専門的な知識を有するようになっている。つまり、消費者は「専門化」している◆このように語るのは、昨年3月に富山県パン・学校給食米飯協同組合の60周年記念式典で記念講演を行った商品ジャーナリストの北村森氏◆同氏は続けて、専門化が進む背景にはSNSの普及があるだろう。SNSでの企業を媒介しないプライベートな情報交換が進む中で、消費者が「この商品はこうあってほしい」という理想を持つようになり、商品に対する期待値がこれまで以上に高くなっていると言える。しかし、消費者の変化に気付いて商品開発を進めている企業は思いの外少ないように感じる◆それならばマーケットリサーチで商品開発をすれば良いと考えるのだが、それではヒット商品は生み出せない。なぜなら、消費者が自身の願望を言語化することが難しいからで、消費者にほしい商品を聞いても曖昧な反応しか得られない◆これからは製品スペックを上げることに注力し消費者の願望を先取りして「そうきたか」「信じられない」といった驚きや感動が与えられる商品を提供できるかどうかが問われるという。

<2018年5月10日>
◆「春バテ」対策の商戦が活発だという。春バテとは、季節の変わり目による激しい寒暖差や新生活のストレスが原因となって自律神経が乱れ「だるい」「イライラする」などの症状が現れることを指す。医師や企業で構成されている研究会の調査(首都圏在住の20〜50歳代男女約800人対象)によると、6割以上が例年3〜4月に体調不良を感じるという結果が出ている◆ロフトでは、昨年9月から春バテ需要期を想定して快眠グッズ売場を拡大。4月時点で快眠グッズの商品数を前年同月比で約30%増やし売上は約40%増となり、ゆるく身につけられて筋肉と緊張をほぐす商品の人気が高いという。快眠グッズでは入浴剤が好調で、入浴前後に飲む専用ドリンクも売れ筋のようだ◆東急ハンズ各店でも春バテ対策商品が売上を伸ばしており、明るい光と音によって睡眠のリズムを調整し快適に目覚めさせる時計や音・光・香りによって睡眠環境を整える機器の取扱を始めた。価格は高めだが客からの問合せが多いようだ◆春バテの対策をおろそかにすると五月病に繋がる可能性もあるといわれ、消費者の関心が高まっている◆ベーカリーで使用する様々な原材料の中にも「春バテ」に効果がある食材があるように思える。効く効かないは別にして何かのキーワードにすることも考えてみては。

<2018年4月10日>
◆京都府では府民や食品関係事業者、行政等が一体になり、食べ残しなどの理由から廃棄されてしまう「食品ロス」の削減に向けた取組を進めるため、食材を使い切る工夫や食べ残しを出さない工夫等を実践している店舗を「食べ残しゼロ推進店舗」として認定する制度を始めた◆対象事業者は京都市を除く京都府内で営業する飲食店及び料理を提供する宿泊施設(出前・宅配含む)で、次の項目2つ以上を実践する店舗ごとに「食べ残しゼロ推進店」として認定する。@食材を使い切る工夫A食べ残しを出さない工夫B宴会・冠婚葬祭での食事等における工夫C食べ残しの持ち帰りができる工夫Dごみ排出時の水キリ等の工夫E使い捨て商品の使用を抑える工夫F食べ残しゼロに向けた啓発活動Gそれ以外の食べ残しを減らすための工夫◆申請方法は事業者が申請書に必要事項を記入し京都府農林水産部食の安心・安全推進課に郵送・FAX・eメールまたは持参する方法のいずれか◆先般ある外食店で「食べ残しゼロ推進店舗」のステッカーが貼られていたので『具体的な取り組みは?』と質問すると『アルバイトなので分かりません』という答え。食に携わる者として「食品ロス」を重要課題と考えるため、認定された以上全従業員に徹底して取り組みを成功に導いていただきたいと思う。

<2018年3月10日>
◆平昌オリンピックが閉幕し18日までの日程でパラリンピックの熱戦が連日繰り広げられている。次は2020年の東京オリンピック・パラリンピック。平昌では選手村の食事について酷評が報じられていたが東京大会ではおもてなしレベルでの食事が提供できるのだろうか◆オリンピックで競技を行うアスリートは、ストレス無く食べたい料理を提供してもらいたい。食は体を作るだけではなく精神にも大きく影響を及ぼす。特に記録を求めるアスリートならば食に寸分の妥協も許さないだろう◆オリンピックに参加する選手数には制限があり夏季オリンピックでの選手総数は15000名以下とし役員数は5000名以下と規定されている。日本を訪れる観光客の一部と考えれば大した数ではないが、毎日同じ場所で大勢の人たちが食事を摂るとなれば話は大きく変わる。少なくとも1000人の料理人が必要と言われ、世界が認める一流のレベルでなければならない。単純計算で約120万食以上を提供することになり、例え1000人の料理人がいてもフル稼働しなければ難しいという。加えて、衛生・栄養面、アレルギー、文化・宗教など様々な配慮、飽きが来ないメニューサイクルや日本食だけではなく世界の代表的な料理を提供するなどの工夫も課題となる◆日本の文化をどう発信するのか今後も注目だ。

<2018年2月10日>
◆社会問題に発展しつつある食物ロスと食品廃棄に一石を投じる動きがSNSで反響を呼んでいる。年を追って過熱する恵方巻きの廃棄問題について兵庫県内のスーパーマーケットが「もうやめにしよう」という広告を打ち、あえて余剰分を作らない施策を取った◆恵方巻きの文化は元々関西圏で根付いたもので、約10年で市場規模が拡大し売上も年々増加している。しかし、天候や曜日などの兼ね合いに左右されやすい商品でリスクも大きい。売上を大きく伸ばすことよりも食品のロスや廃棄を少しでも減らすことを優先したという◆綺麗事のように聞こえるが、食物資源を確保することが巡り巡って売上に繋がるという発想。スーパー業界では前年売上個数よりも少し多めに商品を作るというのが常識で、クリスマスケーキも同じ状況にあるらしい。人口減少と高齢化を考えると必ず無理が生じる◆同スーパーの従業員から「食物資源は絶対減っている。だから大事にしたい」という声から売れ行きに応じて数を増やすことはしないという異例の方針を打ち立てた。SNSでは「感心した」「かっこいい」「すばらしい」など、称賛の声が上がっているほか「このような店が当たり前になってほしい」といった声もあったという◆食品を扱う者として真剣に考えなければならない事例だと感じる。

<2018年1月10日>
◆あけましておめでとうございます。平素は弊紙をご愛読いただき、誠にありがとうございます。今年も何卒変わらずご愛顧賜りますようお願い申し上げます◆私は毎年、延べ約100〜120回パン関連の取材(店舗・講習会・講演会・コンクール・式典など)をする。年々で採り上げられている傾向や感じることが異なり明確な答えを伝えることは難しいが、進化していることだけは間違いない◆昨年1年を通じて印象深く感じさせられたのは「継続は力なり」という日本人が昔から大切にしてきた精神であった。アメリカンマネジメントが導入され始めた1980年代初頭から「即効性のある商品構成」「即戦力の人材」などがクローズアップされたように記憶する◆それらの手法を決して否定する訳ではないが「真面目にコツコツ」という日本の商習慣や文化とは真逆で、急成長や一発逆転が良しとされるアメリカンドリームとは根本的な隔たりがあると思う。ベーカリーの基本的な業態は、近隣住民に愛され、ほしいパンが何時でも買え、客とのコミュニケーションからニーズを識り商品化するという循環で地域になくてはならない存在になることではないか◆少しずつ商品を磨き、日々の成長を喜びながら人を育んで、2018年が皆様にとって無事で素晴らしい年になることを切に願う。


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