ナンバベーカリー〈岡山県総社市〉
総社にないベーカリーをコンセプトに独立開業
地域一番店、地域貢献、法人化目指す

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難波氏

店舗入口

店舗外観
 

パン陳列の様子

店内の様子

バゲット・クラシック
 

カレーパン

メロンパン

 ナンバベーカリーは2016年7月22日、埼玉県川口市のK・YOKOYAMAで修行を積んだ難波伸樹氏が、故郷総社に戻り「あの店でパンを買いたいと思って来店してもらえるベーカリーにしたい」という大志の下、独立開業を果たした。開業1年で休日には、岡山・倉敷市内からの来店客も多く、順調に固定客を増やしている。

 難波氏は、カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト入賞やアメリカ産チーズアイデアメニューコンテストピザ部門入賞など数々の賞歴を持つ。
 「総社にはない焼き立てパンを提供するベーカリーであること。総社にはイートインができるベーカリーがなかったので焼き立てをすぐに食べていただけるスペースを作ること。この2つが開店前からの基本的な構想です。店外にもオープンテラスがあるので、店内のイートインスペースは、さらにパンが売れるようになれば、販売スペースとして活用できるとフレキシブルに考えています」と難波氏は、自店のコンセプトを語った。
 同店は、総社市の中心街から少し離れた新しい道路沿いに立地する。近隣にベーカリーはなく、田畑の区画整理が進行中で住宅や店舗ができつつある。飲食店は、ハンバーク店とピザ店がある程度。将来、住宅が建ち並び人口が増加するに従い、外食チェーン店などが軒を並べる可能性は高い。
 総社市は「今後住みたい場所」として県外でも人気があるようだ。周りの雰囲気は、田んぼや蓮華畑が多く、今のところノンビリしており、住宅の敷地にも余裕があって、都会の喧噪とは比較にならない。しかし、総社市は、人口約68000人、約27000世帯(平成29年5月現在)に対して、中心部には15〜16店舗と岡山県内の市では最もベーカリー普及率が高い。また、天満屋内にはサンエトワールが出店、スーパーマーケットやCOOPにはインストアベーカリー、山崎製パン岡山工場も市内にあり、激戦区といえる。
 店舗の外観は、白を基調としたベーカリーとは思えない建物だが、一度入店すると木の装飾品や自然な店内の雰囲気を忘れることはない。敷地面積は約140坪、建屋は約35坪。全駐車区画に車を止めてもまだ余裕がある。
 「この場所は、元々田んぼだった土地を整地代込みの格安で借りています。建物は自己資金で建て、設備機器も全て新規で導入ましたので、全てを合わせると勇気が要る額になりましたが、都会では考えられないくらいの家賃です。政策金融公庫と吉備信用金庫の試算によると、平日約10万円、土日祝約18万円の売上があれば、若干の余力を残して支払可能ということでした。
それでも、当初は心配でしたが、提示された売上額はクリアできているので、継続して成長できる方策にチャレンジしようと考えます」と開店までの葛藤を語った。
 独立志向が強い人は、自分の店を持って、自分の作りたいパンが作れる状況に満足してしまい、商売の基本である損益を二の次にしがちだが、難波氏は、金融機関とコミュニケーションすることによって、具体的な目標ができ、その目標を達成するためには何をしなければならないかが明確になっていると感じた。
 「横山社長には、パン作り以外にも経営や原価計算、売値など多くのことを教えていただきました。K・YOKOYAMAでの製造現場を経験しているので、今以上に忙しくなっても対応できると思っています。開店して1年も経っていないので何とも言えませんが、スタッフ全員がフル回転でパンを作る状況が訪れることを目指しています」
 パンの価格は、首都圏や関西圏に比べると少し安い。同店では、難波氏が最初に設定した値段に概ね30円をプラスして販売価格を決定したという。
 「周りからは安くしなければ売れないと言われましたが、総社にない焼き立ての美味しいパンを提供すればお客様は来てくれると確信していました。そのようなことも相俟って、売上額がクリアできているのだと思います」
 店内を見回すと、40円台や60円台から400円台の商品まで幅広い価格設定だが、価値を付けて200円台にしている商品が売れ筋になっている。アイテム数は約80。売れ筋のトップは、じっくり煮込んだ自家製カレーの「カレーパン(税込151円)」。次いでサクサクで中はふんわりの「メロンパン(同129円)」、「フレンチトースト」、総社産のたまごを使用し、やさしい甘さの自家製カスタード。バニラビーンズ入りの「クリームパン(同151円)」。他に、かわいいハート型のパイ「プチ・パルミエ(同43円)」、メープルを折り込み、さらにナツメヤシのシロップを塗った「メープルブレッド(1本同453円/ハーフ同226円)」、コンテスト入賞作品で、焼酎漬けいちぢくがたっぷり入った「パン・ヴェニシエンヌ・オ・フィッグ」などもよく売れるという。
 「ハード系が思ったよりも売れることに驚いています。この店のフランスパンが美味しいからと言って、わざわざ買いに来てくださるお客様もいます。金額ベースで売上構成比の約30%を占めています。ハード系は1日に5回焼成しています。今後の課題は、地元製粉会社の国産・県産小麦でハード系を作ることです。食事パンを中心に、もう少しアレンジした商品やファミリー向けの甘いパンなどにも挑戦して確固たる基盤を築きたいと考えています」
 続けて難波氏は、今後の展望を次のように述べた。
 「まず、地域の一番店になることです。ベーカリー発信で総社市を盛り上げ地域貢献すること。社員のことを考えて利益を出し続け法人化することです」

【ナンバベーカリー】
〒719-1132岡山県総社市三輪1124-1
TEL/FAX0866-95-2866
▽営業時間=7時30分〜19時
▽定休日=火曜日
▽アクセス=JR伯備線総社駅東口出口から徒歩約17分/JR桃太郎線東総社駅出口から徒歩約21分/岡山自動車道岡山総社ICから車約10分
▽従業員数=難波夫妻、正社員3名、パート・アルバイト10名
▽主な設備=ミキサー、オーブン、ドウコン、ホイロ、フリーザー等

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パン・ヴェニシエンヌ・オ・フィッグ

惣菜系パン