PANメンバーズ 第109回例会
ベーカリーのこれからの可能性を探る
講演とパネルディスカッション

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当日の出席者

鳥越製粉

田中食品興業所

 PANメンバーズ(岩郷雄介代表幹事=Mイワゴー社長)は10月26・27日の2日間、大阪市北区の大阪第一ホテルで第109回例会を開催した。

 開催に先立ち、岩郷代表幹事が次のように挨拶した。
 近年、業界で大きな問題になっている人手不足だが、弊社でも今春卒業の学生アルバイトが多かったので、1月頃から補充の募集を行ったが集まらず、高知県の最低賃金を大幅に上回る時給850円で、ようやく人員を確保した。しかし、新人のアルバイトと長年働いてもらっているパート・アルバイトとの差がなくなり、一律に時給を50円引き上げることなり、人は集まったが、労務費全体が引き上がってしまった。これからは、経営課題として労務対策に関連して商品の値上げを実施しなければならないと痛感した。
 単品の専門店は、大都市圏の商売だと思っていたが、10月に高知でも食パンやメロンパンの専門店がオープンした。全国的に専門店が益々増えると予測している。
 続いて、講演会では「これからのホスピタリティ・ベーカリー」をテーマにMドゥコンサルティング代表取締役の保住光男氏が講演。研究会では「付加価値を高める」パネルディスカッションが行われた。パルリストは、Mヨーロッパンキムラヤ代表取締役の古谷香住氏、P亀井堂代表取締役の地原忠実氏。コーディネタコーは、MPAN・Labo代表取締役の河原治氏。その後、協賛会員の鳥越製粉M、M田中食品興業所、友栄食品興業Mが自社製品のPRを行い、各部会より事業の進捗状況が次のように報告された。
経営部会:北関東地区の視察・研修会の準備。3月の講演会は乃が美阪上雄司社長を予定。商品部会:9月にカネカ食品とケンコーマヨネーズの協力でサンドイッチ講習会を開催。来年2月に時間短縮をテーマにした長時間発酵パンの商品コンテスト、4月には高齢化社会に対応した商品をテーマに講習会を予定。
 続いて、M木輪代表取締役芳野栄氏による連続講話「パンの耳」第28話〈屋久杉に学ぶ〉が披露された。
 終了後の懇親会では、記念撮影の後、会計担当幹事の地原氏が「今日も様々な勉強ができた。保住先生の講演内容はすぐにでも実践できる内容で、私たちが行動するかしないかのどちらかだ。しかし、それらの全てを受け止め過ぎずにカスタマイズすることが重要で、今後は異業種との交流も貴重な情報収集の一つになると思う」と挨拶し、Mヤマノ大阪支店支店長の佐藤英雄氏が乾杯の発声をして宴が始まった。
 2日目は、正会員・協賛会員によるマネジメント研究会が行われ、保住光男氏講演の振り返り意見交換会、MJ-オイルミルズから「発酵種の使い方」の解説とMCフードスペシャリティーズMから「発酵種にあったパン」が提案され、2日間の日程を終了した。

協賛会員の製品PR
◇鳥越製粉
▽ル・パルフェシリーズ=温めても冷やしてもおいしい:じゃがいものスープ/じゃがいもを丁寧に裏ごししてコトコト煮込んだ旨みと甘味が特徴のやさしい味わいの本格スープ。緑の豆のスープ/ふっくらと茹で上がったえだ豆とグリーンピースの爽やかな甘味のヘルシースープ。温めておいしい:コーンポタージュスープ/良質のコーンをコトコト煮込んだ自然の甘みとやさしい味わいが口に広がるコーンポタージュスープ。ミネストローネスープ/玉ねぎ・人参・じゃがいも・ベーコンを完熟トマトでじっくり煮込んだコクのあるスープ。

◇田中食品興業所
▽プチール果肉りんごマスカルポーネチーズクリーム=信州産ふじりんごの果肉を使用し、マスカルポーネチーズを合わせたシャキシャキ食感のチーズクリーム。保存料不使用。9月〜2018年1月期間限定。容量1kg入×4袋
▽果肉入りあまおう_いちごフラワーN=福岡県産あまおう_を使用。いちごの甘酸っぱさとミルクのコクを効かせた、いちごミルク風味のフラワーペースト。11月発売。容量:900g入×4袋
▽なめらかあまおう_いちごフィリング=なめらかな状態のジャム状いちごフィリング。保存料不使用。11月発売。容量:500g入×8袋

◇友栄食品興業
▽FP夢咲桜(2018年5月末まで期間限定)=さくらんぼ風味がほんのりとする、桜花と桜葉入りの焼き込み用の桜風味のフラワーペースト。荷姿:1kg×4/5kg×2
▽BC夢咲桜=桜花と桜葉入り桜風味の油脂加工食品。荷姿:700g×4/3.5kg×2
▽CJ夢咲桜=ほんのりピンク色に桜の花びらが見える、桜花入り生使用タイプの桜風味ゼリー。荷姿:1kg×4/5kg×2
 夢咲桜シリーズで、可愛らしいピンク色、桜風味が香る「夢咲桜」が謳える。

連続講話「パンの耳」第28話
〈屋久杉に学ぶ〉
M木輪代表取締 芳野栄
 今年の慰安旅行は「屋久島の縄文杉を見に行こう」ということになり、去る10月15日〜17日に実施いたしました。
 「屋久杉」とは屋久島の杉の中でも樹齢千年以上の杉に与えられた名称だそうです。千年という時の経過に耐え、まっすぐに成長した杉は、どっしりとしていて貫禄があり、私たちを魅了してくれました。「屋久杉」を目の当たりにすると屋久杉が様々なことを語りかけてくれているようでした。
 その一つは、永続することの大切さです。千年以上にわたって、成長し続けた杉が「屋久杉」と呼ばれるように企業の経営においても「老舗」と呼ばれるように企業の永続をはかっていくことが大切ということです。急成長を戒め、一年一年確かな年輪を刻んでいくことが、地域社会に役立つ企業に成長していくことに他なりません。
 二つ目は、根を張ることの大切さです。屋久島は、花崗岩でできた島です。従って、土壌はやせ、栄養分が少ない中での成長を余儀なくされています。そこで杉の根は、岩場から長く伸び地中深く根を張りそのことで風雨に強い杉へと成長をとげています。与えられたきびしい環境を受け入れ、その環境の中で成長していく力強さが伝わってきました。そこにしっかりと「根を張る経営」の大切さを学びました。
 経営理念、社風、人間としての魅力や思いやりなど木にたとえるなら、根っ子の部分をしっかり充実させていくことで環境変化に柔軟な企業風土が出来上がるものと思います。
 花崗岩の土壌という過酷な条件の中でこそ、急成長しない密な年輪を形成し、そのことで付加価値の高い杉材となっています。企業経営の環境が厳しくても、自店の良さを見失わず、むしろ自店の特徴や強みを生かした経営が求められるとも思いました。
 次に感じたのは、共生していくこということです。屋久杉のきりかぶからは、その断面から、新しい木が成長しています。他の木々の種の着生をも受け入れ、自らは根から養分を与え、新しい木からは、光合成による恩恵をいただき共生しています。自然界では、「自分さえよければ」という概念はないように思いました。
 私たちも自分の持つ能力を生かしながら、周囲の人々と共に仲良く生きていくことや自然と調和していくことが正しい生き方であると思いました。又、パン屋さんの仲間同士も「自分の店だけよかったら」と考えるのではなく、ともに学びともに成長し、全体のレベルを高めていくことで業界全体を押し上げていくことができるのだと思いました。他社と競合するより協調しながら自社の得意分野を大切にしていくことのほうが企業の永続には欠かせないと思いました。
 雨が降り条件の悪い中での縄文杉見学でしたが、得ることの多い慰安旅行となりました。

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友栄食品興業

芳野氏