東京青雲会10月「見学会」
満寿屋商店東京本店〈東京都目黒区〉

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森会長
 

とろーりチーズパン

食パン(麦皇)

うまっしゅサンド〜BLT〜

 東京青雲会(森弘樹会長)は10月12日、北海道帯広の満寿屋商店(杉山雅則社長)が昨年11月にオープンした東京本店の見学会を開催した。

 同店は、首都圏に北海道・十勝産小麦をアピールし「十勝産小麦のパンで生産者と消費者を繋ぎたい」をコンセプトに誕生した。
 懇親会では、杉山社長が十勝産小麦やパン作り、東京本店の店舗経営・取り組みについて講演した。
 乾杯を前に森会長は、杉山社長に店舗見学と講演の謝辞を述べた後「十勝に対するこだわりが印象的で、対象は違っても見習うべき点だと思った。経営者は、会社や店舗に対する想いと理念を貫き、ブレないことを改めて学んだ。今後の活躍と青雲会入会に期待する」と挨拶した。

【東京青雲会事務局問合先】
Mパンニュース社、担当/松井
TEL03-3862-6041

《満寿屋商店東京本店の売れ筋商品》
▽とろーりチーズパン(380円)=同店一押しの商品。十勝でも貴重なモールラクレットチーズをはじめ5種類のチーズを載せて焼き上げた。
▽クローバー塩バターパン(180円)=よつ葉乳業のバターをたっぷり包んだ。一度食べたらハマってしまうリピーター続出の商品。
▽食パン=麦皇(1本900円):満寿屋商店のスタンダード食パン。十勝産小麦のふんわりもっちりとした味わいが楽しめる。トーストにしてもさらに美味しく小麦の風味が広がる。甘熟小麦ブレッド(450円):72時間の冷蔵発酵で十勝産小麦の旨味をしっかり引き出した。ゆめちから食パン2枚入り(115円):前田農産の「ゆめちから」を100%使用したモチモチした食感が特徴の食パン。丸麦ブレッド(450円/ハーフ225円/2枚入り115円):食パン麦皇の生地にキタノカオリの炊いた玄麦を混ぜ込んだ。ぷちぷち食感が楽しめる食パン。
▽十勝若牛肉カレーパン(280円)=十勝清水町の十勝若牛をサイコロカットにしてゴロゴロ入れた。十勝の野菜がとろけた、まろやか×スパイシーなカレー。
▽丸麦ムッシュ(280円)=プチプチ麦入りの丸麦ブレッドをクロックムッシュにした。ホワイトソースとベーコンを挟んだ。
▽うまっしゅサンド〜BLT〜(240円)=マッシュルームが香る「うまっしゅパン」は、サンドイッチとの相性抜群。厚切りベーコンとフレッシュトマトに粒マスタードがピリッと効いている。
▽マチルダフライドポテト(200円)=十勝芽室町マチルダをフライドポテトにした。ホクホクと甘いジャガイモ。
▽食パンおためし2枚セット=ゆめちから食パン+丸麦ブレッド

《杉山社長講演(要旨抜粋)》
 弊社は、北海道十勝地方の中心地、帯広市に本社がある。今日は、帯広から飛行機で東京に来た。今朝の帯広空港の気温は5℃。東京は25℃以上で20℃以上の気温差があり、全く気候が違う。気候が違うことと同じように、北海道でのベーカリー展開と都会とでは随分異なり、非常に苦労している。
 1950年に祖父が創業した会社で、私が3代目。2代目の父は私が高校2年生の時に他界し母が引き継いだので4人目の社長になる。現在、帯広市を中心に6店舗を展開、昨年11月に満寿屋商店東京本店を東急東横線都立大学駅近くにオープンした。
 十勝地方は、日本で最大の農業生産地帯。約400万人分の食糧を生産し、農家一軒当たりが保有する農地面積は平均41 ha(1ha=100×100m)。ヨーロッパに近い大規模農業を行なっている。生産者のほぼ全員が専業農家で本州の農業事情とは全く違う。地域の最高年収職業は農業。そんな農業主役の地域で、ベーカリーを70年近くに亘って営んできた。
 2012年に25年かかって、ようやく全てのパンアイテムの原料を十勝産小麦100%に切り替えた。全国のチェーンベーカリーを運営する会社の中で、地元の小麦100%で全商品を製造しているのは弊社1社のみと聞いている。それが実現できたのは、十勝という特殊な環境に置かれているからだと認識している。
 比較的裕福な農家が多く存在する中で、パンを買ってくれるお客様も農家。農家は1日5食で、間食には弊社のパンと昔から決まっているようだ。農家が作った小麦や乳関連、小豆、ジャガイモなどの農産物をパンの原材料として使用し、その製品を農家が買うという原料の供給者と顧客が同じ環境にあり、地域内で資源を循環させながら、パン食文化を構築している。従って、十勝に依存し、十勝でなければ成り立たない会社なので、父は十勝農業の将来や行うべきことを真剣に考えていた。また、パン用小麦を十勝でも作れるようにと、約30年前からハルユタカという品種の普及に努めた。コンバインを購入し農家に貸し出すことや若手を集めてハルユタカを栽培してもらう運動などを行なっていた。
 現在、十勝にある店は東京と違い大型店舗が多い。最も大きな店舗は、敷地面積が3000坪以上あり、日本最大のベーカリー店舗だと思う。その「麦音」という店舗には、麦畑があり、粉を挽く風車や水車、産直市場もある。駐車場は、約130台分。夏になると観光バスも来る。
 なぜ、東京に出店したのかとよく聞かれる。それは、十勝の農業をどのように生かすかを考察するため。国産小麦は、補助金で守られており、農家の収入の約3分の2が補助金。十勝産小麦の価値を消費者に対し常に伝えなければ、将来的に難しくなる。小麦は、主要産物の一つで作付け面積の多くを占めている。品質は、日本でトップクラス。パン用では最近、ゆめちから、キタノカオリ、春よ恋、はるきららなどの新種が出てきているので、それらもパンの原材料に使用している。
地元の農業振興を含めて都会で挑戦し、東京のお客様に十勝産小麦の価値を知ってもらいたい。
 都内では、5店舗くらいの展開を当初から考えており、計画に沿った店舗作りを行なっている。厨房を広く取り、冷蔵庫や冷凍庫もチャンバー式の大型を導入し、2店舗ほどの製品提供が展開できるように設計している。また、内装デザインは十勝の出身者作。木壁は十勝産のからまつを使用している。販促物等も帯広のデザイナーの作品を採用している。
 東京本店は、お客様の反応が良く、都立大学前という立地は食べ物に関心が高い住民が多いように思う。十勝産小麦100%を謳い、生産者限定小麦や食材を多くの商品に表示し、都会の人でも知っている「よつ葉乳業」などをPRしているとリアル感を持つようだ。国産小麦のパンは、全国どこでも買えるようになって来ているので漠然としているが、十勝産や生産者限定になると小麦の存在を強く感じる。実際に小麦の味を知っている消費者はほぼ皆無だが「小麦の味がする」や「生地がおいしい」と言う声を聞き、弊社のパンに違いを感じてもらっているのだと理解している。
 小麦粉以外にも仕込み水(30度以下の超軟水)、バター・チーズなどの乳製品、鶏肉・豚肉、卵は、十勝から運んでいる。但し、価格は家賃や運賃を加算しなければ経営できなくなるので十勝より2〜8割高くせざるを得ない。
 小麦・食材のこだわりを述べて来たが、働く人にもこだわっている。スタッフは6名の正社員で、全員北海道出身者。本店から東京本店オープンのために異動させた。十勝出身のお客様が来店されることもあって、地元同士のローカルな話で盛り上がり、人での十勝感を演出することもある。しかし、住居や定期的な帰省も必要で、会社としてのコスト面を考えながら、快適な労働環境を整えている。長い目で見ると、北海道で勤務する者にとって、貴重な人生経験になり、東京勤務を終えて北海道勤務に戻ると、東京で得た様々なセンスや感覚を十勝のお客様に還元できると考える。
 私は、父が早くに亡くなったので父から事業継承をした訳ではない。しかも、31歳で社長に就任したため、手探りで事業を進めてきた。現在、ベーカリー経営の難しさを痛感しているが、とにかく前に進むことを常に考えている。

【M満寿屋商店概要】
 創業1950年。十勝で生まれ、十勝で育ち、十勝で愛され続ける心和むパン屋「満寿屋商店」。昔ながらの伝統を守りつつ、十勝産食材100%使用を目指し、日々新しい美味しさを追求している。 素材・製法・焼きたてに、徹底的にこだわりながら、格別の美味しさ、そして最高の笑顔を届けている。
〒080-0011北海道帯広市西1条南10丁目2
TEL0155-23-4659、FAX0155-21-4659
ますや本部事務所
〒080-0027北海道帯広市西17条南3丁目50-17
TEL0155-58-4690、FAX0155-58-4691
▽会社設立=1953年1月26日
▽業務内容=パン製造販売
▽従業員数=150名(正社員約70名、パート・アルバイト約80名)
▽店舗=本店・ボヌール店・帯広駅店・音更店・めむろ窯・麦音・東京本店
▽URL=http://www.masuyapan.com

【満寿屋商店東京本店】
東京都目黒区八雲1-12-8鶴田ビル1F
TEL03-6421-2604
▽アクセス=東急東横線都立大学駅から徒歩約5分

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杉山雅則社長

店舗外観

店内の様子