フラワー・チャイルド・ベーカリー〈カリフォルニア州〉
グルテンフリー商品の品揃えを充実
安定した品質の長期間提供が重要

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キャサリンさん(右)とディオンさん

店舗外観
 

平日の昼間は小さい子供連れが多い

店内の様子

カウンター奥に並ぶパン

 カリフォルニア州で増え続けるグルテンフリーベーカリーの中でも安定した供給と人気を誇るのが、ノヴァト市にある「フラワー・チャイルド・ベーカリー」。オーナーは、キャサリン・ブラグさんと夫のディオンさん。

 キャサリンさんは、アメリカを拠点とするアパレルメーカーであり、ジーンズのブランドである「リーヴァイス(Levi’s)」で長年、ファッションデザイナーをしていたが、息子の誕生をきっかけに、出張がないベーカリーの仕事を始めたいと思うようになった。
 「元々ベーキングは、服をデザインするのと同じぐらい好きだったので、リーヴァイスで働きながら、休暇中にベーキングや経営などの講座を受講して準備した後、会社を辞め、自分でパンを焼き始めました」と、キャサリンさん。
 友人に声をかけられて、2002年にファーマーズマーケットで初めて自分のケーキを1種類販売したところ、すぐに売り切れたので、ビジネスとしてやっていけるかも知れないと思ったそうだ。1年目はファーマーズマーケット1カ所、翌年は3カ所に出店した。最初は販売もキャサリンさんがしていたが、後ろで見ていた夫のディオンさんが「僕がやる」と言ってくれた。
 続けてキャサリンさんは「私は、小さな子供を育てながら夜中にケーキを焼いて、日中売っていたので、夫が販売を担当してくれることは非常に助かりました。また、夫がファーマーズマーケットの数を増やす営業活動をしてくれ、私は商品開発に集中することができたので、理想的なパートナーです」という。2006年には、現在の店舗を借り、ピーク時には28カ所のファーマーズマーケットに出店していたという。
 キャサリンさんが最初に作ったケーキは、卵白と砂糖、バター、アーモンド粉入りのリンザートルテ。
 「私自身少食なので、忙しい時に手軽に食べられるものを作りたいと思っていました。リンザートルテは、タンパク質とカルシウム入りで食べると満足感があります。お客様に言われて初めて、このケーキがグルテンフリーだと気付きました」
 その後、食材の特徴を考えながら、科学者のように実験を重ねたという。チョコレートやレモントルテを小麦粉入りと小麦粉抜きで作って比べ、小麦粉抜きの方が素材の味が引き立つと思ったので5年前から全商品をグルテンフリーにした。
 「衣料会社では莫大なお金をかけて、誰かに試着してもらいますが、私たちはファーマーズマーケットでお客様から大きさや味の評価を得ると、すぐに改善して出し、またすぐ評価を得られたので、商品開発の最高の機会でした。私のケーキが、出店を見て歩きながら食べられる大きさでシンプルになったのは、この時です」  グルテンフリーを求める人が食べたくなるのは、食べ慣れたチョコチップクッキー、オートミールレーズンクッキー、キーライムバーなどで、冒険せずに馴染みのある種類を用意している。トルテもクッキーもグルテンフリーであることを忘れさせる美味しさだ。
 グルテンフリーのハード系パンを作るのは難しいとよく聞くが、同店では、バゲットやフォカッチャ、ベーグルなど6種類のパンを販売している。グルテンフリーで乳製品フリーの「ティフ&チア」が一番よく売れている。パニーニ・サンドイッチに使われる高蛋白質ブレッドは、グルテンフリーと言われなければわからない食感だった。
 「グルテンフリーパン作りの最も難しい点は、小麦粉のグルテンを除去するため、葛粉やコーンスターチ、タピオカ粉、米粉など沢山のものを加えないとパンらしくならない点です。そうするとあまり健康的ではないと思ったので、高蛋白質ブレッドを開発しました。豆粉は小麦粉より蛋白質が高めで、豆っぽくならないようにするため、米粉やチアなどを加えます。それらが、接着剤になっています。自分で満足できるものができるまで3年かかりました。正直に言うと私のパンはもっと美味しくできると思うので、現在も研究中です。他の人ができないものを上手く開発することにやりがいを感じます」
 売上の80%を占めるファーマーズマーケットでの販売は歩合制。平均年齢20歳の販売員が、ライトバンで商品をファーマーズマーケットに運んで売り、また運転して戻ってくる。人件費を20%に抑えるため、売れ残りを最小限にしなければいけないので屋台を設置して最低限の数を売った全員に定額給を払い、それ以上の商品を売った人には、その数によって歩合を払う仕組みがうまく機能している。
 「癌で化学療法をされているお客様や年をとって今まで食べられていたものが食べられなくなったお客様が、新鮮な食材で作った私たちのグルテンフリーケーキは食べられると言ってくださいます。従業員にも、ベーカリーの仕事は競うものではなく、長期間同じ品質のものを提供できるかどうかが大切だと教えています」

【Flour Chylde Bakery】
▽住所=850 Grant Ave. Novato, CA 94945
▽電話=(415)893-7700

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