PANメンバーズ2019年度7月総会・第114例会
年間研究テーマ「働きたいベーカリー」
メンバーズ会員全社を人の集まる企業に

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南代表幹事

舩田副代表幹事

総会審議の様子

 PANメンバーズ(南卓治代表幹事=Mエムズフードアンドライフ社長)は7月11・12日の2日間、大阪市北区の大阪第一ホテルで総会と第114例会を開催した。

 総会の開催に先立ち、南代表幹事が「2019年度は『働きたいベーカリー』を年間研究テーマに活動する。人口減少や少子高齢化の進行により、人手不足が深刻化しており、来年の東京オリンピック・パラリンピックや2025年の大阪万博などの影響で益々その傾向が強くなると予測できる。一方で、少数ながら人が集まっている企業があり、特定の業界ではなくベーカリーなどにも見られる。それにはどのような理由があるのか。人が集まる理由は何なのか。それらを明らかにすることが今年度のテーマ。今後は、採用格差が成長格差になるように思う。優秀な人材を採用できなければ、成長どころか存続が危ぶまれる時代になる。皆さんと一緒に、人が『働きたいな』と思うベーカリーとは何かを追求して、PANメンバーズの会員全社が人の集まる企業にしたい」と挨拶した後、南代表幹事を議長に選任し審議に入り、全ての議案を滞りなく可決した。
 例会では、Mミライフ代表取締役社長の佐藤雄佑氏が「経営戦略としての性格のいい会社」をテーマに講演。研究会では「専門学校生が就職したいベーカリー」パネルディスカッションが行われた。パネリストは、辻調理師専門学校・辻製菓専門学校キャリアセンターセンター長の金内孔二氏、同センターの篠崎寿昭氏。コーディネーターは、MPAN・LaBo代表取締役の河原治氏。
 その後、各部会報告と新年度事業計画の詳細が説明され、M木輪の芳野栄氏が、連続講話「パンの耳」第33話〈仕事を通して人間性を磨く〉を披露した。
 会場内には、協賛会員のPRブースが設置され、休憩時間等を利用して友栄食品興業M・M田中食品興業所がプレゼンテーションを行った。
 懇親会では、副代表幹事の舩田洋史氏が「PANメンバーズ世話になった父が5月27日に亡くなった。亡くなる直前にかすれた字でノートに『ありがとう』と書いてくれた。その時、非常に清々しい気持ちになり、心からこの人の息子で良かったと思った。自分も周りの人に感謝の気持ちを持って生きていきたい」と開会の挨拶をした後、Mベーカーズタイムス社高家が乾杯の発声を行った。和やかな宴は進み、初日を終了した。

 2日目は、マネジメント研究会が行われ、@意見交換会佐藤雄佑氏の講演振り返り。A東芝テックMリテイル・ソリューション事業部長の金澤肇氏による「キャッシュレス対応について」講演。以上で2日間の日程を終了した。

【新年度事業計画】
《運営部会》
@年3回の例会開催と従業員が参加できるような例会の運営A新入会員を増やす
《経営部会》
@パネルディスカッションの実施A働きたいベーカリー東京視察研修会(Mデイジイ・NRB交流)B経営相談室の活性化
《商品部会》
@商品アイデアの出し方とサンドイッチ講習会(講師にナガタユイ氏を招き日清製粉Mで開催の予定)A商品コンテスト「国産小麦の食パン」

【協賛会員プレゼンテーション】
▽M田中食品興業所=熊本県産の栗を使った「渋皮和栗フィリング」:ラム酒を効かしているため生クリームと混ぜてモンブラン風や焼き込みなどに使用できる。「アップルジュフルーツ」:リンゴにイチジクとザクロを組み合わせた鮮やかな見た目。「ルビーチョコソフト」:第4のチョコレートとして食感が楽しめる。 ▽友栄食品興業M=「カフェビーンズショコラ」:ベースのチョコレートクリームに粉砕した炭焼きコーヒー豆とカカオニブを混ぜた。コーヒーの苦味と食感が味わえる。「シャトルホイップザクココ」:ココア味のクリームをベースに大豆タンパクのパフを入れてザクザクの食感にした。

パンの耳 第33話
M木輪 芳野栄
仕事を通して人間性を磨く
 3月で社長を退き1年が経過しました。社長としての30年間無我夢中で仕事をしてきましたが、振り返ってみた時に「仕事は人間性を磨く『砥石』だ」と実感できました。
 早朝起床し、夜遅くまで休日なしで働いてきましたが、そのものが修行だったと思えます。強い身体こそが、私の人間性を磨ける根底にあったと思います。強い身体を与えてくれた両親に感謝です。さらに23年前から池田繁美先生の下で「素心学」という人間学を学ばせていただくようになり、一層、パン造りや経営の仕事が人間性を磨くことだと思えるようになりました。
 素心学では、周囲の人に対する思いやりを大切にします。笑顔であいさつする。
正しく、やさしい言葉づかいをするなど、社員に対して不快さを与えない、安心と喜びを与えていくことを大切にします。良好な人間関係づくりには欠かせません。「自分が自分が」という自我を抑え、社員と仲よく、たのしく、明るい職場づくりに努力していく。こうしたことが私の心を磨く『砥石』となりました。
 社長として大切にしてきたことの一つに、社員との「約束や決まりごとは必ず守る」があります。言ったことは実行する。社員との間で取り決めたことは自ら率先して行う。お互いの関係で交わした約束は必ず守っていく。そのようなことで社員との信頼関係を築いてきました。
 一方の木輪のような零細企業では毎日といっていいほど問題が発生します。企業は『問題製造業』とも言われますが、様々な問題が発生し、頭を悩ませます。製造トラブル、機械の故障、製品不良、生産性の低下、人の問題、新商品開発、さらには、お客様からの苦情等々、それらを一手に引き受け、一つ一つを丁寧に忍耐強く解決していかなければなりません。私の想いがなかなか社員に伝わらない時も、私の未熟さからくるのだと反省しながらの日々でした。それらを投げ出すわけにもいかず、じっと辛抱しながら明日をよりよくしていかなければなりません。多くの工夫と改善を地道に続けていくことが求められます。
 自分に与えられた能力を最大限に使い、生かし、それらの問題解決にあたらなければなりませんでした。自らの技術や技能を向上させていく努力も求められました。当たり前のことですが社員の誰よりも努力することを旨としてやってまいりました。そうした中から「常に向上心を持って日々努力」や「昨日より今日は一歩前進」「創意工夫で職場を改善」といった木輪の行動指針ができてきました。
 心の乱れ、心が浮き沈みすることが毎日のようにありましたが、それを職場の中であらわすわけにはまいりません。そこで一日の終わりには静かな場所で一日を振り返りながら、心をリセットしなおして、明日からの新たなスタートに備えました。同時に朝目覚めたあと「禅的瞑想」や「感謝の言葉」の唱和で心のクセを正し、心の安定をはかる工夫が欠かせませんでした。
 以上のようなことを心がけてきたおかげでなんとか無事に30年間の経営者としての役割を果たすことができたように思っています。
 思いやりを施す。約束・規律は必ず守る。いろいろな苦難に耐える。誰にも負けない努力をする。静かに心を調える。そうしたことを繰り返すことで、経営者として正しく生きるための智恵が発現されてくる。まさに修行そのものです。
 こうしたとこから、仕事や職場は人間性を磨き、魅力的で人から好かれる人物を目指す上で大切な『砥石』だと思っています。

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総会・例会参加者

芳野栄氏