京小麦の収穫祭 井澤製粉
京都府内約100店舗で
京都産小麦100%のメニューを開発・提供

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 京都産小麦は、京都府内で約150ha作付けされているが、平成30年産よりパン用小麦新品種「せときらら」に全面切り替わった。
 井澤製粉M(井澤雅之社長)は、これを契機に京都で収穫された小麦をPRし、その魅力を消費者と一緒に楽しむため、府内のベーカリーやラーメン店など約100店舗で、京都産小麦100%を使って開発された商品やメニューを1月20日〜3月29日の10週間提供する「京小麦の収穫祭」を開催する。また、収穫祭に先立ち昨年11月26日、京都市南区の都ホテル京都八条で、「せときらら」を使った商品を取扱う店舗(パン・洋菓子・ラーメン・イタリアン等)や小麦生産者及び産地関係者、全国農業協同組合連合会京都府本部(協賛)、京都府(後援)関係機関関係者が一堂に集う「京小麦の収穫祭」キックオフミーティングを催した。
 「京小麦の収穫祭」キックオフミーティングでは、主催者を代表して井澤社長が「今回で第2回目の「京小麦の収穫祭」となる。昨年の第1回は56店舗が参加していただいたが、今回は、ほぼ倍の98店舗が協力していただき、収穫祭を盛り上げることになった。キックオフミーティング後には、懇親会の場を設けているため、懇親を深めるとともに充分な情報交換を行って、本イベントの弾みにしていただければ幸いに思う」と挨拶。協賛・後援の各団体が紹介され、京都府農林水産部農産課主幹の加茂雅紀氏が「せときらら」の今年度作柄状況について解説した後、参加全店舗が発表され、同社専務取締役の井澤文博氏が今回の「京小麦の収穫祭」を説明した。
 懇親会では、井澤社長が次のように国内産小麦の位置付け変遷を述べた。
 昭和50〜60年代、国内産小麦は結構多く収穫されており、銘柄的には京都府を含め圧倒的に「農林61号」が多かったが、品種としての「農林61号」は普通小麦で、パンや中華麺は作れないほどタンパク質が弱く、業務用には使い辛い小麦が長く生産されていた。使い方としては、オーストラリア産うどん用小麦粉に配合するやパン用小麦粉に一部を配合して学校給食用等にするなどがメインだった。
 京都府下では平成元年頃、1千トンを超える収穫量であったが「農林61号」のため、製粉会社としては推奨し難い品種であった。その後、長期の国策による補助整備に入り主産地の限定に加え、天候不順や自然災害による影響などで収穫量が減少し続け200トン前後となり、京都府で小麦が獲れているという実感がなくなってしまった。その間に消費者は、外国産の農作物に対して不安を抱くようになって国内産ブームを迎え、弊社にも国内産、特に京都産100%小麦粉はないのかという問い合わせが増えてきた。一方生産者は、米なら炊いて味を評価することができるものの、小麦の味を確認することができず、流通経路や用途も不明瞭でモチベーションが上がり辛いという悪循環が重なった。
 それが、昨年から「せときらら」という銘柄に代わってパンや中華麺に向く品種に大きく舵がとられ、京都産100%小麦粉の販売が実現した。
 その後、京都府農林水産部農産課課長の木村哲史氏が祝辞を述べ、全国農業協同組合連合会京都府本部副本部長の山田保氏が乾杯の発声をして宴が始まった。

《「せときらら」の今年度作柄状況》
◇栽培の特徴:農林61号より出穂期、成熟期が早い。ニシノカオリに比べ多収(農林61号と同等)。
◇品質の特徴:製パン性に優れる。タンパク質含有率が低くなりがち(実肥の施用が必要)。
◇令和元年産の生育状況:は種(種まき)=例年より降雨が少なく、は種の作業は順調に進んだ。その後も気温が高く生育は早く進んだ。排水不良地を除き生育は概ね良好。6月初旬から順次収穫した。実集荷量は262トン。但し、需要量は約400トン、は種前契約数量は約250トン。
◇「せときらら」の振興
生産者への支援:京小麦の需要拡大に応じた生産量確保(単収向上)対策の強化〈京の地域特産物応援事業〉/麦を生産する生産者に対する交付金〈経営所得安定対策等〉(畑作物の直接支払交付金・水田活用の直接支払交付金)

《京小麦の収穫祭》
目的:その年に収穫された京小麦を製粉し、消費者に販売提供することによって、小麦生産者・地場製粉会社・製パン製麺業者・飲食店とともに「京小麦の収穫」を祝い、消費者に対する京小麦の認知度を高め「京小麦の生産拡大」を目指す。
京小麦の収穫祭2020:98店舗の内訳は、パン38/ラーメン29/うどん13/イタリアン8/洋菓子4/居酒屋3/お好み焼き・鉄板焼き2/小麦そば1
ルール:店舗を10グループに分け一週間ごとに各店舗で開発したメニューや商品を消費者へ販売・提供する

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