長寿製パン〈山口県下関市〉
一日も早く通常の社会生活を取り戻し
学校給食の難問に立ち向かう

BACK

 

 

松村社長

工場・店舗外観

工場内の様子
 

工場内の様子

直営店の様子(HPより)

店舗で販売されているパン

 長寿製パンM(松村豊社長)は、1957年4月30日に創業した。起源は、長寿堂という「亀の甲せんべい」とパンを製造する長寿堂という会社。豊社長の父がパン部門を買い取って創業した。現在の事業は、学校給食が約6割、病院や幼稚園の卸関連が約3割、残りの1割が直営店での小売と企業の売店。

 松村氏は、1954年生まれ。66歳。大学卒業と同時に同社に入社。は約23年前、社長に就任した。同社は、下関市内の約60校にパンと米飯を1日平均約18000食を提供している。
 コロナウィルス感染拡大防止による影響を松村氏は次のように話した。
 「JRは、ほぼ平常通り運行されているが、空の便は激減している。最寄りの北九州空港は東京便が1日1往復、宇部空港も東京便が1日3往復程度で、まさに不要不急の外出はできない状況。会社と自宅が一緒なので、5月は敷地内から一度も出ず、完全ステイホームを達成できた。
 3月は、学校給食の約6割が、そのまま全体の売上に影響した。4月は、下関市が学童保育でパンを提供したので約5割減に留まった。山口県パン工業協同組合の組合員で学校給食の比率100%が3社、95%が1社。経済産業省からの持続化給付金の申請ができるのは、その4社と弊社の5社のみで、残りの組合員は申請できないといわれている。それは、リテイルベーカリーを含めた事業収入が50%以下に落ち込んでいないという理由だが、学校給食の構成比率が5割に近く厳しい状況を強いられている会社が多い。
 工場でのコロナ対策は、マスク着用や手洗いは言うまでも無い。健康チェックはコロナ以前から実施していたので特に対策とはいえない。製品の個包装化も学校給食パン以外は、従来から個包装なので改めて起きた苦労ではなかった。約7年前より、オゾン水による器具の洗浄やオゾン発生装置を使用し夜間工場全体の殺菌を行っている」
 学校給食パンには次々と難題を持ち掛けられ、事業の構成比率が高いほどその影響は大きい。以前は、学校給食の構成比率が今ほど高くなかったが、同業者の高齢化や後継者不在による撤退や廃業で増えていったという。
 「高齢化や後継者不在は、今に始まってことではなく可能な範囲内で対応するしかない。HACCPも大騒ぎになったが、コロナで制度化という言葉さえ聞かなくなった。今は、減塩が取り沙汰されており、山口県でも、2%、1.7%、1.5%を食べ比へる講習会を実施した。他県からは、1.5%にすると残渣が増えたという話を聞いている。給食会としては1.6%に落ち着かせるようだ」
 工場と店舗は、静かな住宅地に位置し、前の道路を南に進むとすぐに関門海峡と関門自動車道の関門橋が望め、対岸の門司港が見える。本州側橋詰めには壇ノ浦パーキングエリアがあり、交通の要衝が感じられる。
 店舗では、市販パンを販売しており、近隣住民に喜ばれているという。
 海に沿って西に行くと「唐戸市場」があり、食料品卸センターに直営店を出店している。
 「会社としての展望を語りたいが、コロナが収束しなければ何も始めることができない。ウィルスに影響されることなく、通常の社会生活を送れるようになることが何よりの願い」と松村氏は述べた。
※亀の甲せんべい:下関の銘菓。氏神の亀山八幡宮と亀は万年の縁起に因み、亀の甲せんべいと名づけられた。当時の亀山八幡具を意匠登録し容器のデザインとして現在も使用されている。

【長寿製パンM】
〒751-0815山口県下関市本町1丁目-4
TEL08-231-0300、FAX083-231-0302
▽営業時間=8時30分〜16時30分(なくなり次第終了)
▽定休日=日・祝日
▽駐車場=なし
《直営店》
唐戸市場食料品卸センター1F
〒750-0005山口県下関市唐戸町5-50
TEL083-223-2760、FAX083-222-2201
▽営業時間=4時〜12時30分(なくなり次第終了)
▽定休日=日・祝日(加えて不定休あり)
▽人気ベスト3=トライアングル、チョコパイ、キングパン
◇唐戸市場
「関門の台所」として、地方卸売市場及び交流市場としての役割を担う。地方卸売市場としては全国的にも珍しい販売形態。農産物の直売所もあり、漁業者と農業者が軒を並べて販売している。また、あらゆる食材を取り揃えた「総合食料品センター」としての役割も果たしている。
▽アクセス=サンデンバス「唐戸」バス停から徒歩約3分、関門連絡船唐戸桟橋から徒歩約3分、JR下関駅から車で約5分

新聞最新号へBACK

唐戸市場