Winter Fancy Food Show 2020[2]
(ウィンター・ファンシーフードショー・2020年)〈カリフォルニア州〉
グルテンフリー商品を豊富に紹介

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会場の様子

「エディソン・グレイン」社長のジェフリー・バーンズさん

「ジャスト・メイド・ケト」社長のホイットニー・ラウンスベリーさん
 

「ハイキー・スナックス」社長のジョン・ギブさん

オーガニックソルガム粉、オーガニックひよこ豆粉、オーガニック玄米粉

「オットーズ・ナチュラルズ」のキャッサバ粉のパスタ3種、キャッサバ粉

 スペシャリティフード協会は1月19〜21日の1日間、カリフォルニア州サンフランシスコにあるモスコーニセンターで「第45回ウィンター・ファンシーフードショー」を開催。アメリカ市場への新規参入、販路拡大を目指し、世界各国の食品メーカーが出展した。出展社数は1400社以上、8万品を超える飲食物が出品され、多くのバイヤーなどが来場した。この大規模なショーで見聞きしたアメリカの食のトレンドを紹介する。

《今後人気の出る小麦粉代替品》
 同展では、グルテンフリー商品が沢山出品されていた。「エディソン・グレイン」はオーガニックの豆・穀物・種販売会社で、小麦粉の代替品を数多く取り扱っている。社長のジェフリー・バーンズさんに、これから人気の出る商品について話を聞いた。
 「グルテンの消化が難しい人が増え、グルテンフリーを求めている方は多いです。ひよこ豆粉は、中東や地中海地方で以前から使われていましたが、アメリカでもグルテンフリーレシピで使われるようになりました。ソルガム(モロコシ)粉は、アフリカとインドで使われてきた食物繊維が豊富な穀物粉で、乾燥に強く降水量の少ないカリフォルニア州で育てるのに最適です。将来は、カリフォルニアの米農家はソルガムを育てるべきだと思います。パスタやシリアルによく合い、パンやクッキーなどのベーキングには、米粉などと混ぜて使われています」
 「オットーズ・ナチュラルズ」は、2014年からキャッサバ(別名:ユカ、芋の一種)粉を販売している。味も食感も小麦粉に似ていて、料理に使う時には、1対1の重さで代替できる。今年から販売開始されるキャッサバ粉パスタを試食してみたところ、小麦粉のパスタと同じ食感で、違和感がなくて驚いた。根菜アレルギーの人は少ないので安心して食べられるというメリットもある。
《アーモンド粉》
 アメリカでは、糖質制限をするケトジェニックダイエットが流行っているので「ケトダイエット食品」という宣伝文句を目にする。そうした商品によく使われているのはアーモンド粉。amazonで一番人気のシュガーフリー・グルテンフリーのクッキー屋「ハイキー・スナックス」もアーモンド粉を使っている。社長のジョン・ギブさんは「エリトリトール(果実や発酵食品に含まれている天然甘味料)とモンクフルーツエキス(後述)で、ステビアの後味を消し、アーモンド粉を使って、グルテンなしでもサクサクのクッキーを作っています」と話してくれた。
 「ジャスト・メイド・ケト」は、ベーカリーと提携し、ケトジェニックダイエットに則した、砂糖と炭水化物を使わないカップケーキとフロスティングを販売している。ここでも、アーモンド粉とモンクフルーツエキスが使われている。
《人気の砂糖代替品》
 モンクフルーツ(別名ラカンカ)とは、中国の高山地帯で栽培されるウリ科の果物で、この果物から採れる天然甘味料が、砂糖代替品として注目されている。現地では「長寿の神果」と呼ばれ、乾燥されたモンクフルーツのエキスは、砂糖の150〜250倍の甘さで、脂質も炭水化物もカロリーもないので、食べても血糖値が上がらないという。ただ、果物の収穫量が少ないので、販売数が少ない点と高価格なのがネックになっている。
 砂糖代替品として、デーツ(ナツメヤシの実)シロップも注目されている。カリウム、カルシウム、食物繊維などが豊富で、メープルシロップや蜂蜜の10倍の抗酸化物質と、倍以上の栄養価がある。アメリカのコーヒーショップの中には、甘味料として常備している店もあるそうだ。他に、ザクロのシロップも人気が出ている。
《有名レストランのグルテンフリー商品市場参入》
 アメリカでのトップシェフの一人、トーマス・ケラーさんが、グルテンフリー商品市場に参入した。彼の有名な高級フレンチレストラン「フレンチランドリー」のシェフたちが考案した小麦粉代替品を「カップ4カップ」というブランド名で売り出したのだ。「カップ4カップ」とは、1カップの小麦粉を1カップの同製品で代替できる」という意味。アメリカのベーキングレシピは計量カップで量って作るものが多いので、重さから計算しなくても良いのは魅力的。「カップ4カップ」の多目的粉は、コーンスターチ、米粉、玄米粉、ミルクパウダー、タピオカ粉、片栗粉、キサンタンガムで出来ている。他にも、ブラウニーミックス、ピザミックス、ワッフルミックス、チョコレートケーキミックス、パイ生地ミックスなど全12種類あり、プロの味を手軽に作ることができる。
《カリフラワー食品の人気》
 グルテンフリー商品市場で人気急上昇中なのは、カリフラワー食品だ。展示会場でひときわ大きなブースを出展していたのが「カリパワー」社だ。チーズピザ、マルゲリータピザ、野菜ピザ、七面鳥ペパロニピザ、ペパロニピザ、ペパロニ&野菜ピザ、計6種類のピザの試食を出していた。ピザ生地は、カリフラワー、玄米粉、米粉、コーンスターチ、タピオカスターチなどで出来ていて、特にカリフラワーの味がすることもなく美味しかった。
 他にも、通常トウモロコシ粉か小麦粉で作られるトルティーヤのカリフラワー製もあった。ピザやトルティーヤにカリフラワーを使うと、栄養価が高くなり、カロリーや脂質が少なくなるなどの利点があり、色々なグルテンフリー食品に使われている。
 ファンシーフード(高級食品)として成功するためには、高価でも消費者が購入してくれる付加価値が必要だ。今回ご紹介したグルテンフリー商品や砂糖代替品には付加価値があり、伸びている市場なので、健康志向の消費者の心をつかむために、今後益々多様化していくだろう。
写真・文/田原知代子

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「ラカント」社のモンクフルーツ甘味料、手前ボールのようなものがモンクフルーツ

「カリパワー」のピザ