M宮城総合給食センター〈仙台市宮城野区〉
信頼される会社に成長し
社会貢献できる範囲を拡大する

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津田社長と伊藤専務(左)

本社事務所外観

本社米飯工場

 M宮城総合給食センターは、仙台市内を中心に宮城県内の小・中学校のうち102校に地元産米にこだわった美味しい給食の米飯とともに、まごころと笑顔を届けている。また、東北6県でインストアリテイルベーカリーを展開し、焼き立てパンの提供で食べる楽しみを贈っている。

 同社は1996年1月30日、過去にあった会社を引き継ぎ、組織を一新して、新規創業した。創業者は、代表取締役社長の津田孝氏と代表取締役専務の伊藤朗氏の2人。
 津田氏は、高校卒業後、スーパーマーケットに入社し食品部門を担当した。同社設立のために退社し現在に至っている。
 伊藤氏は、高校卒業後、日本電気の子会社に入社し物流を担当した。津田社長と同様に同社設立のために退社し現在に至っており、両代表とも学校給食に関する経験はない。
 社訓は「一隅を照らす者 是、全て会社の宝 故に小事完遂」。
 事業内容は、米飯・パン・菓子製造・販売を中心に、不動産も手掛けている。3工場の生産体制で、イオングループを中心に東北エリア(福島県から青森県)で展開しているオールスクラッチのリテイルベーカリー24店舗を100%子会社として運営している。
 3工場で仙台HACCPを認証取得している。
 「弊社は、日本炊飯協会が推奨するHACCPに準拠している。ISO22000までは必要性を感じていない。HACCPは、制度化・義務化が発表された当初と比べるとハードルが低くなっているが、厚生労働省も学校給食業社の実情を鑑みてのことだと思っている」と津田氏。
 学校給食と市販の割合は、売上ベースで概ね半々。従業員数は、リテイルベーカリーを含めて約300人。  従業員教育は、伊藤専務が中心になりOJTを行なっている。宮城県パン・米飯協同組合が主催する講習会にも随時参加させているという。
 今後、力を入れたい製品について津田氏は次のように話した。
 「力を入れる製品は、常温で約1カ月間保管できる革命的な『しゃり玉』。しゃり玉(寿司飯)は、製造特許を取得した、まぐろ由来のコラーゲンペプチド配合の独自炊飯方法によって、しっとりふっくらした食感そのままの長期保存を実現した。最長28日間の常温保存が可能で、鮮度と美味しさが長持ちする画期的なもの。鮮度を保つメカニズムは、米は炊飯すると規則的に配列されていたでんぷん粒子がばらけて、α化(アルファ化=水分を多く含んだ粘りのある状態)する。時間が経ち、水分が蒸発すると徐々に結晶化(β化)が始まり、ボソボソ飯になってしまう。同製品は、コラーゲンの高い保水性により結晶化を抑制している。厳選した東北産の原料米を使用して、しゃり玉に最適なオリジナルブレンド米を採用している。炊飯にもこだわり、急速沸騰の強力対流で米が立つ炊き上がりの『連続式ガス炊飯』を採用。職人業によって炊きブレやムラが解消された美味しい飯に炊き上げている。また、しゃり玉に欠かせない酢は、メーカーと共同開発したプライベートブランド酢を使用。調味料(アミノ酸)を使わず、昆布エキスを使用して旨味を引き出して美味しさを追求した酢。通常よりもpH値の低い専用PB酢を使用することにより、雑菌を大幅に抑制して、真空や保存剤を一切使用しなくても遠距離流通を可能にした」
 伊藤氏は「開発してから約10年が経過した。コロナ禍でアウトソーシングが活発になり、外食産業のテイクアウトが増えたことによって需要が拡大している。加工品関係での使用用途も広く、パックから取り出すだけの簡単調理なので、人材・人手不足の解消、作業効率の向上が期待できる。長期保存ができる上、小分けパックなので食材ロスの低減にも貢献でき、保管場所も柔軟に選ぶことができる。新メニュー・限定メニューの開発などが負担を少なくして実行でき、アイディア次第で色々な『新しい』を生む可能性を秘めている」と同製品の将来性を話した。
 続けて、伊藤氏は将来展望を次のように語った。
 「本業を伸ばしながら、実現可能な社会貢献をすること。障害者雇用を積極的に推進していることも社会貢献と考えており、感謝状も授与された。現在、4名の障がい者が在籍している。近隣に養護学校があり、社会に出る前に社会人の一員となる経験をしてもらうために雇用している」
 津田氏は「社会に食べさせてもらっているという意味で、社会が明るい未来を構築できる一端を担う会社になりたいと思っている。そのためには、収益が上がらなければできないことだが、そのような会社になりつつあるため、社会に貢献できる範囲を徐々に拡げたい」と会社存在の意義を語った。
《衛生管理の取り組み》
◇仙台HACCP:仙台市が2006年4月に設けたHACCPの考え方に基づく自主衛生管理を段階的に評価する制度。事業者自らが自主衛生管理を点検した結果を仙台市が評価し、今行っている衛生管理よりもひとつ上の段階の衛生管理を目指すことで、市民により安全な食品が提供されるようにするもの。
◇宮城総合給食センターが取り組んでいること:仙台HACCPに基づき、水・酢飯のpH検査、精米検査、一般生菌数、大腸菌群、黄色ブドウ球菌など、随時検査を行い、安全・安心な商品を提供している。加工室内は、循環式紫外線殺菌灯やHEPAフィルター式エアコンを使用し、空間内の空気の清浄度を最高クラスにまで上げて製造している。また、毎日の落下菌検査を行っており、菌の検出はほとんどない。
▽検査の徹底化=米の品質検査・細菌検査について、自主検査は毎日行い、定期的に外部機関に検査依頼をしている。毎日の製造ライン上ATP拭き取り検査により厳しい衛生管理の下で製造している。また、全従業員が毎月、検便検査を行い体調管理に万全を期している。▽異物混入対策=金属検査機とX線検査機を使用した検品により、金属だけでなく様々な材質の異物混入も防ぐ。また、工場入場時の除電カーテン、エアシャワーによる異物除去や工場内の防虫カーテンなど、異物混入を未然に防ぐ対策にも万全を期している。

【M宮城総合給食センター】
《本社・炊飯工場》
〒983-0824仙台市宮城野区鶴ヶ谷字京原101
TEL022-251-6099、FAX022-251-9451
《菓子工房》
〒983-0021仙台市宮城野区田子3丁目18-6
TEL022-259-7003、FAX022-259-7003
《パン工場》
〒983-0021仙台市宮城野区田子3丁目18-6
TEL022-388-7520、FAX022-388-7521
▽事業内容=炊飯米製造販売及び加工品の販売、菓子の製造販売、パン販売
▽従業員=76名
▽小・中学校給食=仙台市61校、利府町11校、多賀城市11校、七ヶ浜町6校、塩竈市13校
▽主要納入先=大手・地元スーパーマーケット、地元ホテル、大手回転寿司チェーン、外食産業、仙台中央卸売市場など
▽炊飯方法=ガス式連続炊飯システムARS(1h/1500kg1機)365日稼働・同ARB(1h/1200kg1機)、超微細濃度酸素気泡洗米装置、空気循環式紫外線清浄機、殺菌保管庫3基、X線金属探知機、舎利玉成形機1h/5000個6台、真空包装機、配送車両11台

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工場内の設備

しゃり玉を使った寿司