Mイチマツ食品〈東京都あきる野市〉
学校給食パン製造が夢を持って働ける職業にしたい

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宮崎社長

工場外観

縦型ミキサー
 

成型機

トンネルオーブン

ホイロ

 Mイチマツ食品(宮崎宗一郎社長)は、1982年11月12日に設立した。創業者は、現社長の父和夫氏。創業期より、主に学校給食用パン・米飯を製造し、東京都市部の児童・生徒に親しまれている。

 宮崎社長は、1985年に国立東京工業高等専門学校を卒業後、YKK APMに入社。入社時より家業継承が前提であったが、家業が繁忙となり1年で退職し経理専門学校に入学して簿記等の資格を取得。1987年4月にMイチマツ食品に入社した。以降、創業者指導の下にパン製造と経営を学んだ。
 社名の由来は、元々M一松を祖父が経営しており、日の出町(現在の東京都西多摩郡)のパン製造会社が廃業したため、その会社を買い第二工場とした。その後、三男の父が分離独立し、米飯給食も始めてMイチマツ食品になったという。「一松」は僧侶によって命名された。「一」と「松」から目出度いという意味が込められている。
 事業内容は、学校給食関連が約9割を占める。内訳は、学校給食用パンが約6割、米飯が約4割。卸はなく、正月用の餅製造と保育園・幼稚園用パン・米飯が残りの約1割。提供エリアは、東京都の区部を除く18市町村。
 National HACCPは取得していないが、全日本パン協同組合連合会などの業界団体が、厚生労働省の承認を得た「HACCPの考え方を取り入れたパン類の製造における食品衛生管理の手引書」に準拠した独自の衛生基準に沿い安全衛生管理を行っている。
 「将来的にHACCPがどのように変化するか予測が難しい。ISO22000やFSSC22000を要求されることも想定内。仮にそれらの国際基準が制度化や義務化されるならば、当然対応しなければならず、高い安全衛生基準になればなるほど、投資もさることながら間違いなく成果が現れると考える。弊社だけが取り組むことではなく、食品業界全体で取り組まなければならない重要課題であるため前向きに取り組みたい。学校給食は、美味しくて衛生的という印象を強くするとともに、あまり美味しくないということも払拭したい。
 一般的に学校給食パンは、市販パンに比べて美味しくないという意見がある。しかし、全てが美味しくない訳ではなく、美味しいと評価する意見や人気の製品もある。その品目を増やしてパンの提供回数を増やさなければいけない。美味しくても美味しくなくても注文数に変化はないと思っている人が少しでもいれば、学校給食全体でパンの提供回数が減る。懸命にパン作りに取り組まれている多くのパン製造業者のためにも努力を惜しまず、これ以上のパン給食の回数減を食い止めなければいけない」と宮崎氏。
 東京都は、協同組合としての米飯給食提供が遅れたという。理由は、食数が多かったこと、地代が高く設備機器が無償でも土地や建物が容易に準備することが困難で、投資(米飯給食開始当時は週に1回程度の提供)の償却に数十年を要することなどが挙げられる。
 「今や他県では、利益源の軸足が米飯給食になっている全パン連加盟のパン製造業者もあり、パン給食を週2回にするという目標を掲げた委員会が、現状に一致している訳ではないと思う。人選に当たりバックボーンなどを見極めていただきたい。
 また、全パン連には理事長として全国の会合等に出席する機会がある。そこで感じることは、積極的に業界の発展を目指して東奔西走している多くの人たちの存在を知り、感謝の気持ちがこみ上げると同時に、それらの人たちが報われるようにしていただきたい。業界発展を願い一生懸命に取り組んでいる人たちが、働きやすく風通しが良く、少なくとも皆の感謝が届くような組織であってほしい」と全パン連に対する期待を言葉にした。
 学校給食パン製造業者が、同じパンだけしか作っていないとすれば技術の向上はない。市販パンを作っているベーカリーの良い部分やパン職人の基準は、同じパン業界で働く者としてクリアしてほしいという。  宮崎氏は、会社の将来展望を次のように話した。
 「学校給食パンは美味しいというイメージが定着し、100人に1人、学年に1人くらいは学校給食パン製造工場で働きたいといわれる職場にしたい。若くて元気な人が、夢を持って働ける職業にしたい。  学校給食のパン・米飯の比率は半々が望ましく、最も給食としてのバランスが良い。さらにいえば、全学校にパン・米飯の両方を毎日供給する選択制にして、好みに応じた主食を食べられることが望ましい。事前に、副食の献立によって希望数を発注してもらえば対応は可能で、配送にも大きな問題は起こらないと考える。多少なりとも選ぶ自由がなければいけないように思う」

【Mイチマツ食品】
《本社・工場》
〒197ー0822あきる野市 小川東1ー5ー8
電話042-558-2011
FAX042-558-4951
▽敷地面積=約1120m_
▽従業員数=100人
▽主な製造品目=学校給食用パン、米飯、もち
▽主要設備=パン・米飯・もち各製造ライン一式
▽セールスポイント=未来を担う子供たちが心身ともに健康な生活が送れるよう学校給食を通して役に立つべく日々努力している
▽アクセス=JR五日市線東秋留駅から徒歩約24分、JR青梅線拝島駅南口から徒歩約26分
《瑞穂工場》
〒190ー1212東京都西多摩郡瑞穂町殿ケ谷633ー2
▽敷地面積=約600m_
▽建築面積=約400m_
▽主要設備=ミキサー、分割機、プルファー、トンネルオーブンなど
 2019年に竣工。限られた床面積の中で、衛生管理を徹底した動線計画とゾーニングを行った。従業員は、建物に入るとすぐ2階に上がり、着替えた後にエアシャワーを通って各々の作業場へと向かう。1階でパン生地作りから焼成までを行い、2階で梱包して出荷まで保管する。虫の侵入を防ぐために製造室、包装・製品保管室には法的に必要な窓以外は設けていない。

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トンネルオーブン出口

瑞穂工場外観

瑞穂工場のトンネルオーブン