製パン講習会 日仏商事
テーマ「トラディション」
講師は同社研究開発課スタッフ

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和田氏

 日仏商事M(筒井潤社長)は9月11日、神戸市中央区の同社本社で、製パン業に3年以上勤務している人を対象に製パン講習会4回シリーズの第2回を開催した。

 講師は、研究開発課の和田佳丈氏・山田幸治氏・藤岡拓也氏。フランスパンディレクト法、同冷蔵法、パン・ド・カンパーニュ冷蔵法を実演。パート・フェルメンテ、ルヴァン、ルヴァンリキッドを使用し、冷蔵法の考え方や活用方法を紹介した。また、ルヴァンについて状態(生地・リキッド)の調整や管理方法も実習と講義を行った。
 和田氏は「今回は、冷蔵製法とルヴァンに焦点を当てる。比較として、ディレクト法のフランスパンを軸に冷蔵法との違いを学んでほしい。レシピには、バゲット冷蔵法とパン・ド・カンパーニュ冷蔵法があり、リキッド状と液状のルヴァンを使用するので、併せて違いを伝えたい。人手不足の深刻化と働き方改革が叫ばれるようになり始めた約3年前から、早朝出勤を改善して早く焼き上げたいという要望が多くなった。従来の冷蔵法で、例えば4Lの生地を仕込む場合、生地をブロック冷蔵する方法が最も収容スペースも小さくて済むのだが、生地の温度を戻すのに2〜4時間が必要になる。ドウコンのプログラム機能を使用すればできるが、空いているとは限らず結局時間がかかってしまうため、今回紹介する製法をし始めた。テーマがトラディションなので、ハード系のみの紹介だが、同様の考え方で食パン生地など様々な生地に応用することができ、早朝出勤の改善や時間短縮、人件費削減に繋がる」と述べて実演を始めた。
【冷蔵法】
 ブロック状生地を設定温度5〜7℃の比較的冷たい温度に生地の中心まで冷やそうとすると7〜8時間を要する。発酵をいきなり止めることができないため、緩やかに発酵しながら冷えて行く。そのため、外側が早く冷えて、中心に近づくほど冷えるのが遅い。外側が発酵不足という訳ではないが、比較すると外側が発酵不足気味になり、中心部分が過発酵気味になる。生地温度を戻す時、比較すると外側の温度が上がりやすく過発酵気味になり、中心部分冷たいままなので発酵不足気味になる。従って、外側と内側で温度を下げる時と温度を上げる課程で生地発酵のバランスを揃えている。復温せずに分割すると、外側は発酵不足気味で生地が伸び易く、内側は過発酵気味で生地が伸びづらい状況ができてしまう。そうすると、同じ生地でも伸び易い部分と伸びづらい部分ができるので、ブロック状で復温することが基本。このようなことから、時間を要するため生産性の向上にはなりにくい。
 今回の冷蔵法は、外側と内側の温度差を出さない製法で、従来製法ほど膨らませず、冷蔵する前にも冷え易い状態を作っている。今日の膨らみ具合の場合、外側と内側で冷え方の温度差は少ないという検証結果が出ている。そうすると、すぐに分割しても一つの生地の中で力のバランスが崩れることもない。例えば、仕込量を多くしても、バットに生地を分散さることにより、タイミングをずらして朝・昼・夕に焼き立ての商品が提供できる。しかし、この製法は冷やし易い状況を作らなければならないというデメリットもあり、一つのバットに4000〜6000gの生地を入れるため、冷蔵設備の関係で1バット当たり4kg仕込み程度が限界になる。この製法は、捏上後約30分で冷蔵するため熟成時間が短いことから、熟成不足を感じる。それを解消するために予め熟成しているルヴァンやパート・フェルメンテを入れている。但し、私見であるため好みに応じて自由にアレンジしてほしい。
 以下は、当日のレシピ。

◆フランスパンディレクト法
【配合(%)】6kg仕込み
フランスパン専用粉…100
safインスタントイースト赤…0.4
塩…2
ユーロモルト…0.2
水…70
【工程】
▽ミキシング=L2分、オートリーズ15分、L6分、H30秒
▽捏上温度=21〜23℃
▽発酵時間=90分、P、90分
▽分割=350g
▽ベンチタイム=30分
▽成型=Batard
▽ホイロ=28℃、60分
▽焼成=上火245℃、下火225℃、30分
◆バゲット生地冷蔵法
【配合(%)】4kg仕込み
フランスパン専用粉…100
safインスタントイースト赤…0.4
塩…2.3
ユーロモルト…0.3
水…64
パート・フェルメンテ…20
ルヴァン・リキッド…15
【工程】
▽ミキシング=L2分、オートリーズ15分、L6分
▽捏上温度=24℃
▽発酵時間=30分
▽冷蔵=3℃
▽分割=350g
▽復温=28℃、60分/16〜18℃
▽成型=Baguette
▽ホイロ=28℃、60分
▽焼成=上火245℃、下火225℃、30分
◆パン・ド・カンパーニュ冷蔵法
【配合(%)】4kg仕込み
《かえり種》
石臼挽き粉…5
水…2.5
ルヴァン…1.2
《仕上げ種》
石臼挽き粉…18
水…9
かえり種…8.7
《本捏》
フランスパン専用粉…72
全粒粉…5
インスタントイースト赤…0.4
塩…1.8
ユーロモルト…0.3
水…56.5
仕上種…35.7
パート・フェルメンテ…30
【工程】
《かえり種》
▽ミキシング=L5分
▽捏上温度=26℃
▽発酵時間=4時間〜
《仕上げ種》
▽ミキシング=L5分
▽捏上温度=26℃
▽発酵時間=3時間〜
《本捏》
▽ミキシング=L3分、オートリーズ15分、L6分
▽捏上温度=24℃
▽発酵時間=30分
▽冷蔵=3℃
▽分割=400g
▽復温16〜18℃=28℃、60分
▽成型=Boulot
▽ホイロ=28℃、70分
▽焼成=上火240℃、下火225℃、40分
◇ルヴァン・デュール
【配合(%)】
《@》
小麦粉/50、ライ麦粉/50、塩/0.5、ユーロモルト/0.5、水/50
《A》
@/100、小麦粉/100、塩/0.5、ユーロモルト/0.5、水/50
《B〜E》
A〜D/100、小麦粉/100、塩/0.5、水/50
《ルヴァン・デュール》
E…50、小麦粉…100、水…50
【工程】
《@〜E》
▽ミキシング=L10分
▽捏上温度=28℃
▽発酵時間=〜24時間
《ルヴァン・デュール》
▽ミキシング=L10分
▽捏上温度=28℃
▽発酵時間=3時間〜
◇ルヴァン・リキッド
【配合(%)】
《@》
ライ麦粉/100、ユーロモルト/0.2、水/120
《A〜C》
@〜B/100、小麦粉/100、水/100
《ルヴァン・リキッド》
C/50、小麦粉/100、水/120
【工程】
《@〜C》
▽ミキシング=L10分
▽捏上温度=28℃
▽発酵時間=〜24時間
《ルヴァン・リキッド》
▽ミキシング=L10分
▽捏上温度=28℃
▽発酵時間=3時間〜

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