志津屋 京阪くずは店〈大阪府枚方市〉
コンセプトは、和・京都
京都のイメージをさらに強調

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堀店長とスタッフ

小林健吾氏

店舗内の様子
 

店舗入り口

カルネ

元祖ビーフカツサンド

 京都府・市内に21、大津市内に1店舗を展開するM志津屋(堀三津雄社長/本社:京都市)は今年3月12日、京阪くずは駅ビル内に大阪府下初出店で23店目となる「京阪くずは店」をオープンした。約6カ月が経過し、順調にリピーター数を増やし、早くも地元にはなくてはならないベーカリーとして定着している。

 同社は、創業者堀信氏によって町の人皆に美味しいパンを食べてもらいたいという思いから昭和23年、京都・河原町に誕生。以来「おいしさ」を大切にした商品開発を続けている。高品質で新鮮な素材の持ち味を生かしながら真心を込めて丁寧に商品をつくることが基本姿勢であり、1日約1万人の利用実績を励みに従業員一同が研鑽している。パンづくりは「おいしい」が基本であるが、「健康・安全・安心」も同じように基本としなければならない。現在、志津屋では「身体に良いパンづくり」に取り組み、健康な食生活を応援している。
 社名の由来は、愛妻家の堀信氏が志津子夫人の名前を借りて命名したもの。
 企業理念は、品質第一:最高の品質と安心・安全を求めて、お客様の健康な食生活を応援し、社会に貢献します。顧客第一:商売とは商品を売るに非ず、真心を売ること。店はお客様のためにあることを忘れないで仕事に打込みます。実行第一:私たちは自信と誇りと情熱をもって地域ナンバーワン店になることを目標に行動します。(同社HPより)


 店長の堀二三男氏は、京阪くずは店の印象を次のように述べた。
 「お客様から『どんなパンが売れてるの?』と聞かれることがあります。京都市内の店舗であれば、弊社の歴史をご存じなので、観光のお客様を除き、あまりそのような質問をされることがありませんでした。京都とは隣り合わせの市であるにもかかわらず、府を越えることで商売の仕方も変わるのだと新鮮な気持ちになりました。売れている商品は、京都の店舗と大差ありませんが、和や京都が連想できる宇治抹茶を使ったパンなどは特に人気があります。店名も『京都・志津屋』と京都を強調しています」
 京阪くずは駅は、大阪府最北端で、隣接する京都府八幡市民の利用者も多い。2003年以降、特急が停車。現在、行楽期の土休日に運転される快速特急以外の全種別が停車する。同店の立地は、唯一の改札口のすぐ傍。改札を出ると一番に目に入るため、京阪の利用者に対しては絶対的に有利で、パンを買うつもりがなくても、香りに誘われて入店する客も多いのではないだろうか。
 店のコンセプトは、和・京都。京都府に隣接しているとはいえ、大阪府下の店舗であるためより京都らしさを出したいという。
 製パン部部長の小林健吾氏は、店舗と商品のコンセプトを次のように述べた。
 「当店限定の宇治抹茶を使用したサクサクのビス生地で中はふんわりとして、抹茶の上品な風味が広がる『京・抹茶めろんぱん(税込180円)』といった京都をストレートに表現できる商品や厨房があるというメリットを最大限に活かした『素直においしいパン』の提供が最高のおもてなしだと考えます」
 食事パン系を中心に約7割のパンを焼き立てで提供しているという。また、小林氏がアメリカ産チーズアイデアメニューコンテストピザ部門で大賞を受賞した「アメリカン・ジャック・ピザ(税込1/4:260円)」やカリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテストインストア・リテール製品部門で審査員特別賞を受賞した「パン・オ・ルヴァン・ナチュレーヌ(ハーフ同410円/同店のみ30個限定)」も販売している。
 「賞を受賞した商品にはストーリー性があり、他の商品よりも多少高い価格でも少しずつリピーターが増えています。このようなことに今まで挑戦しなかったので、当店での実績は新たな発見として、今後の商品ラインナップにも取り入れたいと考えます。その他にも、黒糖パンで和三盆のクリームを包んだ同店と京都駅店限定の『和三盆クリームパン(同205円)』は、従来のクリームパンの価格を覆した高価格商品ですが、結構な数が売れています」と小林氏。
 約7割の焼き立てパンは、基本的にオールスクラッチだが、冷凍・冷蔵、オーバーナイトなど製品の特性に合わせて使い分けており、少人数・短時間労働で製造できる製法を選択している。
 「開店は8時ですが、その時間には、ほとんどの商品を揃えています。8〜9時の時間帯は、客単価は低いのですが、すぐに食べる朝食用や昼食のパンをお買い求めになるお客様で列ができることもあります」と堀店長。
 客層は、時間によって異なるが、朝は、通勤通学途上のサラリーマンや学生。昼は、ベビーカーを押した若いお母さん。夕方は、主婦と翌日の朝食用を買う帰宅途中の女性。駅前の専門店や映画館、レストラン街を有する「くずはモール」に来た人が、帰りがけに同店に立ち寄ることも多い。
 売れ筋商品は、菓子パン系では、1位が、フワッとした生地に上品な味わいのクリームがたっぷり入った「たっぷりクリームパン(税込150円)」、2位が、小さな粒のチーズをフランスパン生地の中にたっぷり散りばめた「クラッシュチーズ(同150円)」、3位が「和三盆クリームパン」。
 和・京都をイメージした商品では、京都大鼓あんぱん(黒豆入りこしあん・有機宇治抹茶入り白あん+丹波大納言小豆鹿の子・丹波大納言あん/同230円、手土産用の3個入り同690円・5個入り同1,150円もある)。
 サンドイッチでは、同社定番のカルネ(プレーン・ペッパー/同各170円・チーズ/同210円・スモークサーモン/同300円)が1位。夏場でも1日平均約400個が売れ、オープン時には約800個売れた。2位は、元祖ビーフカツサンド(同500円)、3位は、ビーフカツ&ふんわりオムレツミックスサンド(同485円)。
 京都市内の店舗では、焼き立てパンとサンドイッチの売上比率が平均半々だが、同店では焼き立てパンの比率が若干高く、約6割を占めている。和・京都というコンセプトが数字として表れているようだ。
 堀店長は「大阪の地産品を使ったパンを作ることも考えましたが、それよりも、京都の食材を長年使用し、『おいしい』と『健康・安全・安心』を積み重ねてきた当社としては、和・京都を全面に出す方が喜ばれると思いました」という。
 今後の展望を堀店長は「品質を担保し、クオリティの向上を求め続けます。大阪で弊社店舗は当店だけなので、京都のイメージを色濃く出したいと考えます」と、小林氏は「さらに京都を強調できる商品を生み出すこと。また、店舗のしつらえなどを含めた全てで京都がイメージできること。京都の小麦を使ったパンを作り、食料自給率の向上に貢献したいと思います」と語った。
 来る10月17日には、関西最大級と言われるイオンモール京都桂川のグランドオープンに合わせて、モール棟1Fに約64坪のベーカリー志津屋を出店。北海道産小麦粉を使ったオリジナル食パンとサンドイッチ等を提供するという。

【志津屋京阪くずは店】
〒573-1121大阪府枚方市楠葉花園町14番1号京阪くずは駅ビル内
TEL&FAX072-864-5900
▽総アイテム数=約80
▽営業時間=8〜21時
▽定休日=なし。但し、年始のみ京阪くずは駅ビルの営業日に準じる
▽従業員数=正社員8名、パート・アルバイト延べ28名
▽店舗面積=約28坪
▽主な設備=ミキサー、オーブン、ホイロ、ドゥコン、フリーザーなど

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パン・オ・ルヴァン・ナチュレーヌ

京・抹茶めろんぱん