デトゥッド・パンデュース エキマルシェ新大阪店
〈大阪市淀川区〉
本質は「パンデュースの空気感」を売る
衛生やサービス面を含めた教育に注力

BACK

 

 

井上店長と米山氏

店舗外観
 

店内の様子

大人のカレーパン

クロワッサン

 Mヘップジャパン取締役・統括シェフの米山雅彦氏が展開するデトゥッド・パンデュースは昨年12月21日、JR新大阪駅在来線改札内のエキマルシェ新大阪(関西初のエキナカ商業施設)に同業態2号店目となる「デトゥッドパン・デュースエキマルシェ新大阪店」をオープンした。

 JR新大阪駅は、新幹線と近郊を結ぶ列車のほか、関西空港・紀州・北陸・山陰方面に直通する特急や地下鉄御堂筋線、伊丹空港リムジンバス、夜行長距離バスなどが発着している。2018年には、おおさか東線の放出・新大阪間が開通し、大阪東部や奈良方面からのショーカットが完成する。一日の平均乗降客は、在来線約9万7千人、新幹線約12万8千人。乗降客増と駅のリニューアルで変貌を遂げている。
 デトゥッドパン・デュースエキマルシェ新大阪店は、東改札口付近でJR京都線高槻・京都方面の13・14番のりばに繋がる階段とエスカレーターの傍に位置する。
 米山氏は「JR大阪駅の店舗が『エキマルシェ』に入っており、新同施設がJR新大阪駅在来線改札内にできるという情報を得てエントリーしました。大阪駅の店舗は、施設側から入居依頼を受けたため、様々な条件面で優遇されましたが、新大阪ではそのようなアドバンテージはなく、競合相手とのプレゼンテーションに勝って出店が叶いました。改札内という立地で、新しいビジネスモデルが作れると思います。
 私の構想では、大阪市内の本町に本店があり、淀屋橋にアド・パンデュース、大阪駅が順調に推移しているため、厨房設備を持たない販売拠点となる店舗を狙っていました。製造に余裕がある訳ではありませんが、人が育ってきたことと、既存3店舗の設備で効率の良い生産体制を整えることにより、1店舗分の追加製造は可能だと思っていました。また、新たに設備投資をして独立店舗を構えオペレーションを構築すると、投資と労力が莫大になります」と経緯を語った。
 商品は、パンデュース本店とデトゥッド・パンデュースエキマルシェ大阪店から専属の委託配送で持ち込んでいる。同店は販売拠点だが、将来のアイテム増や米山氏の構想を実現するために、バックヤード厨房を持ち、フライヤーなどの設備を揃えている。
 「読み通りに生産効率を高めることができ、配送ルートも確立できました」と米山氏。
 店舗のコンセプトは、大阪店と同様に店名(デトゥッド=みんなの)の通り、パン好きだけが喜ぶ商品構成ではなく、より多くの老若男女に愛される店。また、「スタイルにとらわれない自由な発想」と「パンデュースの空気感」を大切にしている。パンは、カジュアルなラインナップで、国内産100%の小麦粉・全粒粉・ライ麦粉を使用、産地や生産者のわかる小麦と契約農家から仕入れた安心な野菜を使い、職人が毎日粉まみれになって真面目に作っていること。
 商品構成について米山氏は「この店舗では、土産の需要があると思います。また、サンドイッチなど車内で食べる弁当的な需要もあります。そこを強化する必要があると考えます。スペースと生産に限りがあるので、本店・大阪店の全商品を揃えられませんが、サンドイッチは同じ商品を並べています。新大阪店だけにしかない商品は、ホールのアップルパイと近々発売予定の揚げカレーパンです」と述べた。
 正確な数字ではないが、全乗降客の約3割が新幹線と在来線の乗換客だというが、客の層や時間帯別特徴が掴めないらしい。夕方は、仕事を終え東京・九州方面に帰るであろう人たちというだけでパターンがみえていないため、現段階では誰に向けて何をという絞り込みができていない。同駅のデータでは、3(春休み)・8(夏休み)月が多客期になっているが、8月を体験していないため実感できていない。
 「生産性の良い商品を新大阪店に供給していますが、土・日は供給不足状態です。週末は平日と倍近くの差があり、生産体制や戦略に苦慮しています。今、注目しているのは、グリーン車で東京へ帰る人の食需要で、高級なハムカツサンドの販売を模索しています」と生産状況とターゲットの一部分を述べた。
 米山氏は、コンセプトになっている「スタイルにとらわれない自由な発想」のパンの一つにクープを入れていない「ドゥミバゲット」を挙げた。バゲットは通常、クープを入れてエッジが立ってパリッとしているが、おいしい食べ方がパリッとしているだけではない。セオリーに当てはめず小麦や生地本来の味を引き出すためにどんなパンにしたら良いかを考えているという。そのような商品を置いていることと接客サービスが「パンデュースの空気感」になる。
 店長の井上亜衣氏は、次のように売れ筋商品を紹介した。
 「上位3品は、クリームパン、大人のカレーパン(焼き)、クロワッサンです。比較的甘くてソフトなパンが人気です。食事系のパンが当店の特長だと思っていますので、もっと認知度を高めなければいけないと思います。また、特長をお客様にアピールし、おいしいパンを一人でも多くの人に楽しんでもらいたいと思います」
 米山氏は今後の展望と経営方針を次のように語った。
 カレーパンだけを売る『カレーパン構想』を抱いており、今のところ何になるか分かりませんが、単品でのビジネスモデルを視野に入れています。
 おいしいものを作ることは基本です。しかし、安くて良いものは作れません。全ての商品価格を上げるということではなく、高く売る努力をしなければなりません。
 パンデュースは、パンを売ることが商売の原点ではなく「パンデュースの空気感」を買っていただくことが本質。それは、世の中を笑顔にしたいから。
 年に一度、経営計画書のような「パンデュースの考え」という冊子にまとめ従業員全員に渡して、Mヘップジャパンは何をする会社なのかと私の思いを伝えています。毎年3月の最終土曜日に入社式と経営発表会を開催しています。そこで、各ブランドの方向性や目標を周知しようと思います。今後は、その冊子をさらに活用できる場を作りたいと考えます。
 会社の規模が大きくなると、正直に細かいところまで目が行き届かなくなります。また、直接指示することも少なくなります。そこで、研修を兼ねて従業員全員が集まり、私が従業員と直接関われて、同期や普段顔を会わさない者が再会を喜びあえる機会を設けました。このような流れが、モチベーションアップ、定着率の向上に繋がるのだと思います。会社の考え方や店舗での商品作りは最も大切ですが、衛生やサービス面を含めた社会的な仕事に対する教育も重要で飲食店は教育業だと認識しています。
 パンデュースは、今後も拡大志向で進みます。次は、セントラル工場を持ち老人施設を中心に卸をすることです。卸を行うには、専属の営業職が不可欠だということを戦略に組み込んでいます。

【デトゥッド・パンデュース】
《エキマルシェ新大阪店》
JR新大阪駅在来線改札内
TEL06-6303-7878、営業時間:7時30分〜22時、定休日なし
《エキマルシェ大阪店》
JR大阪駅桜橋口改札横
TEL06-4797-7770

【パンデュース本店】
大阪市中央区淡路町4-3-1 FOBOSビル1F
TEL06-6205-7720

【アド・パンデュース】
地下鉄御堂筋線淀屋橋駅直結淀屋橋odona2F
TEL06-6223-0300

前へ戻る

ドゥミバゲット

ホールのアップルパイ

ガレットなど