KYOTO/SHIZUYAイオンモール京都桂川next one
他店舗にない商品で差別化
2016年はコンテストで5賞を受賞

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小林氏(左)と荻野氏

店舗全景
 

店内の様子

パン陳列台

 M志津屋(堀三津雄社長)は2014年10月17日、京都市南区に新しくできたイオンモール京都桂川に「KYOTO/SHIZUYAイオンモール京都桂川next one」を出店した。2016年は、各地で開催されたコンテストで、日本チャンピオン2タイトルのほか、上位入賞3タイトルなどの受賞者を輩出している。

 同店は、大型商業施設のインストアベーカリーとして、同社直営店23店舗の中でもトップクラスの売上を誇る。「next one」の商号を付け、他店舗にはない国産小麦を使用した商品などを多く販売している。スタッフは、製造担当5人、サンドイッチ担当6人のほか、店長と販売のパート・アルバイトを含めて約30人で構成されている。製造効率を考慮してセントラル工場で製造した商品も一部あるが、ハード系やサンドイッチ、手間を要する商品はスクラッチで製造している。
 売れ筋商品の筆頭は何と言っても「カルネ」。オムレツサンドやクロックムッシュも常に作り立て焼き立てを提供しているため人気。
 客層は、ベビーカーを押した若い主婦や年配の夫婦が中心。3世代で来店する客も少なくない。
 入賞した作品の商品化は、コンテストの規定に含まれているため準備を進めているというが、5作品を同時にはできず2016年分については2017年に入ってから順次行う予定だという。以前の入賞作品で商品化され店頭に並んでいるパンは「パン・オ・ルヴァン・ナチュレーヌ」と「アメリカン・ジャック・ピザ」。いずれも製パン部部長の小林健吾氏が受賞したもの。
 パン・オ・ルヴァン・ナチュレーヌは、「第7回(1998年)カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト」でアイディア賞を受賞以降、19年間の長きに亘り販売を続けている人気の定番商品。同コンテストの25回を記念して贈られた「受賞作品10年以上継続販売感謝状」も受賞した。天然酵母でゆっくり発酵させた生地にレーズンとくるみ、オレンジピールがたっぷり入っている(ハーフサイズ/税込480円)。また、アメリカン・ジャック・ピザは、アメリカ産チーズを使った「2011年アイディアメニューコンテスト」ピザ部門で大賞を受賞。コルビージャックチーズを混ぜ込んだトマト生地に、バジルソース・トマト・ベーコン・アボカド・ペッパージャックチーズをトッピングして香ばしく焼き上げた(4分の1サイズ/税込260円)。
 小林氏は「コンテストで上位を狙うことは、参加する限り目標ですが、そのことにより、志津屋の商品として売れなければ意味がありません。毎日の仕事に直結しており、賞をとったら逆に、売上増に繋がるパン作りや職人の見本という大きなプレッシャーを背負って、さらに日常の努力を続けなければいけません」とコンテスト製品作りの心構えを述べた。
 2016年の受賞は、次のとおり。
◇友栄食品興業M「第3回クラウンメロンパンコンテスト/6月18日」優秀賞、小林健吾氏「クラウンメロンbateau(バトー)」、高橋亜由子氏「Crown melon blossom(クラウンメロンブロッサム)」。
◇ルサッフル社/日仏商事M「第7回saf製パンコンテスト/6月21日」ルサッフル賞、荻野順平氏。
◇アメリカ乳製品輸出協会「アイディアメニューコンテスト/10月23日」ピザ部門最優秀賞、小林健吾氏「BLACK JACK〜炭火焼きチキン風〜」。
◇カリフォルニア・レーズン協会「第25回カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト/10月28・29日」アメリカ産チーズ部門アメリカンチーズ大賞、荻野順平氏「レーズンとチーズのリュステック〜山椒の香り〜」。
◇第25回カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト記念「受賞作品10年以上継続販売感謝状、小林健吾氏「パン・オ・ルヴァン・ナチュレーヌ」。
◇同コンテスト最多応募回数19回感謝状、同。

 「コンテストへは、会社の理解がなければ決して参加できません。社員が技術力を存分に発揮できる環境を整備していただいたてることに感謝しています。受賞作品10年以上継続販売感謝状が会社に高く評価され、今年の受賞者3人に対して社内報奨もしていただきました。時間は掛かりましたが続けてきて良かったと思います」と小林氏。 コンテストに挑戦する意義を次のように語った。
 「初めてレーズンコンテストに応募したのは、上司から『こんなコンテストがあるので出してみないか』と言われたからです。応募してみると運良く『アイデア賞』を受賞し、アメリカへの研修旅行に行かせてもらいました。その時私は、会社や業界で仕事ができる部類に属するのだと天狗になっていました。ところが、アメリカ研修旅行に行ったメンバーの中で、私が最も仕事ができないことを痛感し、天狗の鼻が折れるどころか大きなショックを受けて帰国しました。技術面だけでなく、メンタル面での隔たりが大きかったことを今でも忘れられません。そこで、会社に戻ったらもう一度、最初からやり直すことを心に決め、継続して努力することを誓いました。
 若い職人たちは、少し仕事ができるようになると、態度が大きくなったり、仕事に対する努力を軽視してしまう傾向があります。コンテストで優秀な成績を残すことは大事ですが、広い目で職人の世界を見て、自分以上の実力者の存在を知り、さらに努力をしなければならないと気付くことが重要で、日常業務にそのことを生かすことが本当の価値だと思います。
 私は、前述したショックがあったので、コンテストへの参加を継続して来ましたが、その後ろ姿を見た部下たちに挑戦する意欲が芽生え、結果として現れはじめたのが2016年だったようです。荻野君は、7年間落ち続け、ようやく今年開花できました。非常に嬉しく思います。
 コンテストに出す作品作りは、基本的に自由な発想と美味しいこと。そこに約20年間の経験からアドバイスを加えて、改善点を一緒に考えます。のびのびと仕事をして技術力を向上させ、会社に利益をもたらすことで、結果として豊かな生活がおくれるようになってくれることを願っています。良い上司に恵まれ、素直な心で打ち込んで組織力を発揮しなければ素晴らしい結果にはならないと思います。
 荻野氏は今年の受賞を次のように述べた。
 saf製パンコンテストでルサッフル賞を受賞したことで、場にも慣れ、カリフォルニア・レーズンコンテストには、少し落ち着いて臨めました。自分の職場以外でパンを製造したことがなかったので、非常に緊張しました。仕事をする上では受賞前と変わりませんが、気持ちの面で結果を出せたという自信ができました。そのことに奢らず、これからも様々なことに挑戦しなければなりません。職場以外の職人たちと触れ合い、コミュニケーションできたことが刺激になりました。コンテストとは、参加して色々な情報を収集できることに深い意義を感じました。前向きに取り組める環境に感謝しています。今後も初心に返って挑戦し続けたいと考えています。
 次に目指すタイトルを小林氏は「私が先頭に立ってコンテストに挑戦するのではなく、若い部下たちが次世代を牽引できるような土壌を作ることです。コンテストを通じて広い世界を経験し、良い意味で天狗の鼻を折ってほしいと思います。世界のコンテストに出場することは素晴らしいことですが、お客様に『美味しい』と言っていただけるパン、自己満足ではない客目線で売れるパンを作ることが志津屋のパン職人として大事なことだと考えます」と述べた。

【KYOTO/SHIZUYAイオンモール京都桂川next one】
▽住所=〒601-8601京都市南区久世高田町376番地1イオンモール京都桂川1F
▽電話=075-924-1090
▽営業時間=10〜22時
▽店休日=無休
▽カフェコーナー席数=48
▽駐車場=イオンモール京都桂川店と共有
▽特長=広くゆったりしたカフェコーナー。同店限定のアイテムが豊富。志津屋の中でもココしかないメニューあり。

【M志津屋】
昭和23年、京都・河原町に誕生以来「おいしさ」を大切に商品の開発を続け、創業から60余年を経た今もその姿勢に変わりはない。高品質で新鮮な素材の持ち味を生かしながら真心を込めて丁寧に商品をつくることが基本姿勢。パンづくりは「おいしい」が基本だが、これからのパンは「健康・安全・安心」も基本にしなければならない。志津屋では「身体に良いパンづくり」に取り組み、健康な食生活を応援している。
〈会社概要〉
▽本社所在地=〒615-0096京都市右京区山ノ内五反田町35
▽従業員数=社員:161名、アルバイト・パート:140名
▽直営店=23店(平成27年11月現在)

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カルネ

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