コッペ・プリュス〈神戸市須磨区〉
ノウハウ・生産能力背景に新スタイルを提案
無限マッチングが可能なコッペに期待

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店舗外観

店舗内に埋め込まれた店名

店内の様子
 

粒あん&バター

牛すじカレー&自家製ポテトサラダ

コロッケサンド

 学校給食用パン製造・卸、ベーカリーファミールなどを展開しているMヒシヤ食品(草野洋一社長)が運営する「コッペ・プリュス」は、2015年5月11日に同社の新業態としてオープンした。好きな具材をその場で挟むという新しいスタイルの楽しい食べ方を提案。開店当初は連日、長い行列ができるほどインパクトがあった。今では、地域の顧客から親しまれ安定した人気を継続している。

 Mヒシヤ食品専務取締役で小川恵美子氏は、開店までの経緯を次のように語った。
 「東京でコッペパン専門店が開店したと聞き視察に行きました。コッペパンといえば、当社には創業者から引き継いだ確固たる実績と積み重ねたノウハウがあり、学校給食が提供できる絶大な生産能力があります。 コッペパン専門店を当社がやらずにどこがするのだと思いました。当時、ベーカリーファミールをどのようにしたら競合店と差別化できるかを思案中で、当社の特性を十二分に活かせる絶好の解決策として受け入れることができ、自分自身の構想を膨らませることができると感じました。とは言うものの事業計画が確定している訳ではなく、店舗にも目途が立っていません。コーヒーショップを経営する友人から隣の場所が空いていると聞き下見した時は、人通りも少なく、特に夜は閑散とし過ぎていると思いましたが、新業態であり見通しが予測できず、過分な固定費を充当できないことから『はじめの一歩』を踏み出すには、身の丈に合っていると思い挑戦を決めました」
 必要最小限の設備投資での立ち上げが可能な反面、焼き立てが提供できない。しかし、経営面でのリスクも最低限に留めることができる。事業化決定以降、様々な構想が湧き出したという。
 「赤いロゴマーク、名前・ユニフォーム、店舗のレイアウトなどで頭がいっぱいになりました。店名のプリュス『+』は、コッペに素材や具材、真心、愛情を添えるという意味。coppeeのスペルも隣のコーヒーショップのcoffeeと掛けた造語です。残念なのは、焼き立てではないので香りを提供できないことですが、どの商品もその場で作り立てを提供するので自信を持ってお客様にお勧めしたいと思います」
 店舗の立地は、閑静な住宅地の中に佇む。阪神淡路大震災後に敷設された広い道路に面しており、新しい高層住宅が建ち並んでいる。ところが住民は高齢者が多いらしい。店舗周辺の一角には、スーパーマーケットやコーヒーショップなどが寄り合い、近隣のコミュニティとして賑わっている。客層は幅広く、高齢者から若いファミリーまで。
 コッペパンは、具材を引き立てる素朴でシンプルな味に仕上げている。2種類の小麦粉を使い、サクッとした噛み応えで口の中に入ると溶ける。アレルギー対応の学校給食パンと違い卵・乳を使用しているので、しっとりと焼き上がっている。具材を挟む時には、コッペニスト(=同店で最後にコッペを仕上げる人)の真心を加えるマジックを掛けて提供している。
 具材では、餡系へのこだわりが強い。神戸の天然水で炊いた餡など、催事出店先の東京でも評価が高かったという。具材単体だけではなく、挟み方にも工夫を凝らしている。例えば「ピーナッツクリーム」。ピーナッツクリームを塗る前に下地でカスタードクリームを塗って味のマイルドさを出している。
 売れ筋商品は、おやつコッペ系1位粒あん&バター(260円)、2位抹茶あん&ホイップ(240円)、3位こしあん&ホイップ(230円)。おかずコッペ系1位牛スジカレー&自家製ポテトサラダ(300円)、2位こだわりの焼き豚サンド(420円)、3位大山ロースハムサンド(250円)。
 季節のコッペもあり、今のシーズンは青森産リンゴのクリームチーズ(260円)、桜あん&ホイップ(280円)、丸ごとえびフライコッペ(380円)などがある。なお、「丹波産の栗あんと黒豆&バターコッペ」は、昨年11月に函館市で開催された「日本全国ご当地パン祭り」に於いて第2位(シルバーブレッド賞)に輝いた。商品開発には今後も最も力を注ぐという。
 「目の前にある商品をより磨くことです。主役のパンがシンプルなので、具材の組み合わせや新しいマッチングが無限でいくらでも拡大できます。コッペパンの伸び幅に期待しています」
 現在のスタッフには、恵まれていて、新しく入った人のOJTが自然と行われる環境にあるという。「良い雰囲気の職場には、その場に適合した人が集まるのかも知れません。人には恵まれているからこそ、新製品開発に集中できたり、皆で話し合って商品企画ができ、コッペパンが力を発揮できるのだと思います」と小川氏。  販売価格は、適正だと考えている。催事で東京へ行くと「安い」と言われるが、東京は地代が高いため、その分が小売価格に反映していると考えているので、地域に合った価格で利益を得ることを優先している。
 接客面では、オーダーを聞いてから作るという流れのためチームワークが重要。作業がスムーズでなければライブ感が楽しめない。
 今後の展開を小川氏は次のように述べた。
 昨年11月の函館を皮切りに、多くの催事を経験しました。お客様からその結果が示される時期に達しています。答えに対する不安や今後の催事の進め方などを2号店の出店を含め、これから具体的に考えたいと思っています。現段階での展望は、目の前にある仕事を片付けて余裕のある時間を作り、コッペ・プリュスの将来像を考えることです。地に足を付けて努力することによって、チャンスや道筋が生まれと信じています。

【Mヒシヤ食品】
〒655-0033神戸市垂水区旭が丘2丁目1-10
電話078-707-4510
学校給食のコッペパンに携わり約60年の歴史を有する。

【コッペ・プリュス】
〒654-0051神戸市須磨区月見山本町2-1-6
電話・FAX078-732-1150
▽営業時間=9時〜売切れ次第閉店(但し、電話での予約可)
▽定休日=日曜日
▽アクセス=山陽電鉄「月見山」駅下車南へ2分、JR「須磨海浜公園」駅から北へ徒歩5分
▽主な設備=スライサー、フライヤー、冷蔵庫
▽平均的な販売数=平日:250〜300個、土・日・祝:450〜500個

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