ブライトベア・ベーカリー+〈カリフォルニア州〉
家族で経営するベーカリー兼珈琲店
目標は生産体制を整え設備をフル稼働させる

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店舗外観

オーナーのシビル・ボールドウィンさん(左)とヘッドベーカーのトーマス・ガイズラーさん

ペイストリーの陳列台
 

店内の様子

レジ周辺とカウンター

卵フリッタータサンドイッチ

 「ブライトベア・ベーカリー+」は、昨年4月に、ペタルマ市ダウンタウンから、10分ほどドライブしたところにある住宅街に開店した。オーナーのブルース&シビル・ボールドウィン夫妻は、IT関係のコンサルタントをしていたが、シビルさんの退職を機に、ベーカリー兼珈琲店を始めた。ブルースさんは今も会社員を続け、週末にパンを焼いている。

 「コーヒーが大好きなので、退職したら珈琲店をしたいと思っていました。コンサルタントの仕事をしていた時は出張が多く、家の近くにいたことがありませんでしたが、珈琲店をしたら、自動的に近所の人たちが来てくれます。パン作りが夫の情熱で、コーヒーが私の情熱なので、退職金を3デッキオーブンや設備に投資しました」とシビルさん。
 近所のパン屋さんでありたいという想いから、開店前に、店の近くにあるアパートの住人や会社で働く人達にアンケートを書いてもらったり、話を聞いたりするのに時間をかけた。その結果、仕事に行く前にコーヒーとパンを買っていきたい人が多いことがわかり、6時から店を開けることにした。
 ブルースさんは、店を始めると決めてから、サンフランシスコ・ベイキングインスティチュートでパン作りを学び、学校の創始者、ミッシェル・スアさんに店のレイアウトなどのアドバイスも受けた。ヘッドベーガーのトーマス・ガイズラーさんは、ニューヨークのアルチザンベーカリー「エイミーズブレッド」で5年学び、他のベーカリーでも経験を積んだ。
 全てのパンはサワー種で、バゲット、ペストチェダー、ベーコンチェダーガーリック、クランベリーピーカン、雑穀パンの5種類。ペイストリーは、果物を載せたものが多くカラフル。最初はタルトも販売していたが、あまり売れなかったので、お客様の好きなシンプルなデニッシュ類を増やしたそうだ。一番人気は、クロワッサンとドーナツを掛け合わせたクロナット。元々はクロワッサン生地で作ったドーナツを揚げたものだが、同店では揚げずに焼いてデコレーションをした。焼いた当日に全商品を売り切るが、クロワッサンとチョコクロワッサンだけは、残った場合次の日、横に半分に切ってレモンカード、ラズベリー、アーモンドクリームなどを入れて焼く。「2度焼きクロワッサン」は、週末に一番人気がある商品となった。
 食事系のメニューは、卵フリッタータサンドイッチ、朝食ブリート、チックピースクランブルラップ、ハム&チーズの4種類。チーズを載せたフラットブレッドも作っていたが、昼食用として職場に持って帰るのは難しく、今のメニューに落ち着いたそうだ。
 「ブライトベア・ベーカリー+」の「+」は、珈琲店を意味するというだけあって、コーヒーにもこだわっている。コーヒーマシンは2015年に新発売された「モッドバー」。ヨーロッパではよく使われているが、アメリカではまだあまりお目にかからないカウンター内蔵型のエスプレッソマシンだと、シビルさんは説明してくれた。
 「従来のマシンでは、中に大量のお湯を貯めていましたが、これは浄水器を通した水を必要な時に沸かして出てきます。今は一種類のコーヒー豆しか使っていませんが、コーヒー豆の産地やブレンドによって、浸出サイクルを前もってプログラムして、最適な浸出ができます。全てコンピュータ化されていて、ボタン一つで設定を変えられるので、コーヒー業が定着したら、数種類の豆を使って、このマシンの可能性を最大限に活かしたいと思います。カウンター内蔵式のマシンだと、お客様もバリスタとの間に大きなマシンがなくて話しやすいので、気に入ってくれています」
 おいしいパンとこだわりのコーヒーの組み合わせで、すぐ近くにあるコーヒー専門チェーン店との差別化を図っている。
 茶類には、真空圧力であらゆる食材からエッセンスを抽出できる「Bkon」を使っている。90秒の間に3回水を入れ真空を作り、茶葉から、デリケートな風味が出せるという。将来は、紅茶のカスタムブレンドも始める予定だ。
 接客の一人には、ボールドウィン夫妻の長男、モーガンさんが入っていた。モーガンさんは大学で企業経営を学んでいて、業務を手伝っている。電気工学を学ぶ次男は設備担当で、企業における手順、方針などを学ぶ娘さんは書類作成担当。
 「3人の子供たちが、各々の得意分野で手伝ってくれています。どちらにしても、母親の私はこのビジネスをしようと思っていましたが、私の不得意分野に秀でいているので、手伝ってもらえてラッキーです」
 現在、一日約350個のペイストリーの売り上げがあるが、午後には売り切れの商品が続出する。遠くから来た顧客に「もっと商品を作って」と言われるそうだが、現在の従業員で最大限を作っている状態だという。
 「近所のパン屋さんでいられたら本望ですが、ファーマーズマーケットに出店したり、地元のカフェに卸す可能性はあります。これからもお客様のことをもっと知って、希望されるものを提供していきたいです。今は設備の可能容量の半分しか使っていないので、2シフト制にして生産量を増やしてく予定です。店舗賃貸料と設備に一番お金がかかるので、まずは設備を最大限に使うことが大切だと思っています」
(文・写真:田原知代子)

【ブライトベア・ベーカリー+】
▽住所=2620 Lakeville Highway,Suite 350 Petaluma, CA 94954
▽電話=707-787-7411

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