K・YOKOYAMA〈埼玉県川口市〉
新しい人事制度等を体系化
従業員が「家庭を第一に考えられる」勤務体制を実行

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横山社長

大原氏

店舗内の様子
 

ハード系

オリーブフィセル・エスカルゴバター

クロワッサン

 K・YOKOYAMAM(横山暁之介社長)は4月、リテイルベーカリー最大の問題点とされる人手不足や後継者難を解消し、夢が持てるベーカリー像を実現し定着させるため、新しい人事制度等を体系化して運用を開始した。

 同社が運営するBoulangerie K・YOKOYAMAは、これまでも「店はスタッフ皆が切磋琢磨する場所」と考え、出来る限り広い視野を持ち多くのことを学んでほしいと願ってきた。また、全ての部署でプロフェッショナルのレベルを高めるため、6つ(調理・面台・仕込み・窯・パイ室・販売)のポジションに分かれて作業を行い、スタッフ全員が全ての工程を習得するなど、効率化や時間短縮に繋がる様々な取り組みにチャレンジしてきた。
 今回は、それらを飛躍的に進化させた人事制度等の構築となった。  横山社長は「今までは、専門店という位置付けで会社経営をしてきましたが、一般企業並みの給与体系を合わせました。休日も長くしましたが、一般企業では特別なことではありません。ベーカリーだから仕方がないでは、今後の発展は望めません。しかし、この新制度を確立するまでには約10年間を要しました。働く人のモチベーションを上げることこそ、夢のある職場の実現だと考えます」と語った。

【新制度の骨子】
《人事制度》
▽開始=2017年4月
▽初任給=高・専卒:181,000円、大卒:201,000円
▽手当=残業2H/日として月間50,000円前後と食事2食補助(1食約500円)を支給
▽実働=10h/日前後
▽休日=年間90日前後(2016年実績)、夏休み:7日、冬休み:5日
▽特長=就労者本人の希望を確認して勤務体系を決める。例:長期勤務希望者/管理教育を行い平均年収は一般企業並みにする(30歳代で600万円前後)、独立希望者/準社員として収入増に繋がる勤務体系とし研修等を業務として会社が負担する、女子/計数・人事管理を免除。休日や勤務時間を調整して結婚後も続けられるようにする
《基本的な業務》
▽オールスクラッチ。使用する具材(クリーム・ソース・ソーセージ・ベーコン等)は全て自社レシピで製造しパンに使用する。
▽販売・製造の区別はしない。手の空いている者が忙しいポジションに入る。
▽パンの製造技術以前に、社会人・サービス業に携わる者としての立居振舞、マナー、モラルを教える。
▽店舗は35人体制で運営。その内、専門学校1クラス分位の人員(およそ15〜20人)を預かる。求人はしていない。
▽アメリカ、アジア、国内の製パン関連・ベーカリー企業数十社を顧問先としている。コンサルタントビジネスのモデルショップとして位置付けている。▽現在、5名が社外業務を担当。毎月定期的に顧問先で商品提案や研究開発のアシスト等を行なうほか、研修やセミナーの依頼にも応じている。
▽関連店舗での指導業務や海外ビジネス等多数あり。状況に応じて数名の若手スタッフを常にアシスタントとして社外業務に同行させる。2017年は、既に3名が海外での研修に同行している。
《研究開発について》
 K・YOKOYAMAの強みは、R&D(リサーチ&デベロップメント)にある。大手ライン業務からリテイル・アルチザンベーカリーまで様々な依頼がある。日常的に具体的なR&D業務をスピーディに行なっている。
 スタッフを代表して製造チーフの大原崇氏は、新制度について次のように述べた。
 製造チーフの仕事は、製造量の見極めなどの生産管理、拘束時間の延長や残業=コストに直結する時間管理、後進の指導・育成が主な社内での業務です。特に時間内で確実に作業を終わらせることに重点を置いています。その他、社長に同行して講習会など社外の仕事も行います。7月には一週間、韓国に出張しました。
 今回の新制度は、施行の約1カ月前に社長から詳しい説明があり、4月から待遇が変わりました。最も変わった点は、大手チェーンベーカリーを基準にした給与形態です。私自身、個人店で働くのは初めてですが、個人店の給与レベルではないと思っています。賞与も給与と並行して上がります。健康保険・厚生年金・雇用保険等の社会保障制度も勤続5年以上には適用されます。
 社長は常々「家庭を第一に考えろ」と言われます。年齢に応じた給与は必要なのですが、家庭生活が困らないような配慮をしていただいていると思います。毎月の給与以上に、長く働いて会社に貢献したければいけないと考えます。
 労働時間も大きく改善されました。入社当時は約15時間でしたが、現在の実働は約10時間に短縮されました。基本4時出勤で遅くても15時には終業しています。夜勤は0時出勤で12時終業です。販売は7〜19時。休日は、1カ月7〜8回。週末が休めないので、できる限り平日連休になるようにシフト調整しています。そのほかに夏休み7日間、冬休み5日間。前後に週2日の休日を連結させて、最大11連休も不可能ではありません。休日を活用して自分のやりたいことが計画できるので、モチベーションも上がります。
 大原氏は、ポンパドウルの製造で13年、親会社がアパレル業のベーカリーゴントランシェリエの店長として2年勤務した後、同店に入社し2年目になる。
 今後の展望を「私自身は独立の希望を持っていません。横山社長の仕事に対する考え方や進め方を学び、海外での経験を積み、コンテストでも結果を残して長く働きたいと考えます」と語った。

【Boulangerie K・YOKOYAMA】
〒333-0857埼玉県川口市小谷場455-1
▽営業時間=7〜19時
▽休日=年中無休
▽従業員数=正社員17名、アルバイト5名(製・販の区別なし)
▽アクセス=JR南浦和駅東口より徒歩15分
▽その他=駐車場完備
《商品の紹介(一部)》
▽看板商品=クロワッサン:発酵バター、オリジナルブレンドの小麦粉で作る。ベーカリーコンテストでグランプリを3度受賞。バレエーションで、青森産リンゴのシナモン煮入りの[ソション・ポム]もある
▽定番商品=石窯クリームパン:バターとミルクをたっぷり使用した濃厚な石窯焼きクリームパン/メロンパン:昔懐かしいザクッとしたバニラビスケットを添えた素朴な美味しさ/カレーパン:国産牛肉と野菜を使用しオリジナルブレンドしたスパイスで作ったカレー入り。他に唐辛子ソースを加えスパイシーに仕上げた[辛口カレーパン]、あらびきビーフ100%の[キーマカレーパン]がある
▽ハード系商品=パリジャン:大きく焼き上げたフランスパン/バゲット・バタール・バケッティーヌ:自家製ホップス種で作る香ばしく皮がやや薄いフランスパン
▽新商品=オリーブフィセル・エスカルゴバター:オリーブパンのフィセルにエスカルゴバターを添えた

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ソション・ポムなど

メロンパン

カレーパン各種