PANメンバーズ2017年6月総会・第108例会
年間研究テーマ「ベーカリーのこれからの可能性を探る」

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 PANメンバーズ(岩郷雄介代表幹事=Mイワゴー社長)は6月22・23日の2日間、大阪市北区の大阪第一ホテルで総会と第108例会を開催した。

 総会・例会に先立ち、岩郷代表幹事が次のように挨拶した。
 近年、全国的に人手不足が問題視されている。特にパン業界では、労働環境・条件等で定着率が低い。パン専門学校教授の話によると、高い授業料を払って卒業しパン業界に就職しても長続きせず、業界内で転職するのではなくて他業界に就労するケースが増えているという。弊社は、週休2日は達成できているが、拘束時間の短縮や連続した有給休暇の取得が課題。これらを解決するためには、今以上に利益を確保して労働条件の改善に努めなければならない。今までは原材料の値上げに応じてパン商品を値上げしていたが、今後は魅力ある商品を開発して、労働条件を良くするためにパンの価格を上げるようにしたい。スーパーマーケットなど市場には安価なパンが多く流通している中、価格に見合う価値を創造しつつ、リテイルベーカリーでパンを買ってくださるお客様をさらに大切にしなければならない。
 PANメンバーズは、今年度のテーマを「ベーカリーのこれからの可能性を探る」と定め1年間活動する。リテイルベーカリーが生き残れる新しい可能性を見出して、魅力のある業界にしたい。
 総会は、岩郷代表幹事を議長に選任し、審議に入り全ての議案を滞りなく可決した。
 例会は、モクモク手づくりファーム会長の木村修氏が「これからの農業ビジネスのあり方〜パンの可能性を探る」をテーマに講演した。研究会では「付加価値を高める」パネルディスカッションを行った。パネリストは、Mイスズベーカリー代表取締役の井筒英治氏、M木輪代表取締役の芳野栄氏。コーディネーターは、PAN・Labo代表取締役の河原治氏。
 その後、各部会報告と新年度事業計画の詳細が説明され、運営部会の芳野栄氏が行った「魅力ある人間づくり講座」の成果発表会が挙行され、芳野氏が、連続講話「パンの耳」第27話〈良好な人間関係づくり〉を披露した。
 会場内には、協賛会員のPRブースを設置、休憩時間等を利用してM田中食品興業所・友栄食品興業Mがプレゼンテーションを行った。
 懇親会では、副代表幹事の南卓治氏が「講演していただいた木村氏には、原点に基づく明確な軸があり、その軸を時系列で昇華しておられると感じた。そのことを私たちがどのようにして採り入れるかを考えなければいけない。魅力ある人間づくり講座の成果発表は、受講者8人全員の発表が素晴らしい内容だった。今後の実践に大きな期待を寄せる。年間研究テーマは、未来のベーカリー像を考えるもの。飲食業界が縮小する中、パン業界は微増だが伸長している。その恵まれた環境をさらに拡大するための策を具現化したい」と開会の挨拶をした後、Mパンニュース社代表取締役社長の矢口和雄氏が「今日の例会は、中身が濃厚だった。業界団体は数多あるが、これほど濃い内容は他にない」と述べ乾杯の発声を行った。和やかな宴は進み、初日を終了した。
 2日目は、正会員・協賛会員のみでマネジメント研究会が行われた。テーマは@意見交換会「これからの農業ビジネスのあり方〜パンの可能性を探る」木村修氏の講演振り返り。A生産性向上・労働問題解消(戸倉商事M)。以上で2日間の日程を終了した。

【新年度事業計画】
《運営部会(担当幹事:芳野・古谷)》
@年3回の例会開催と運営A月1回1話のPANメンバーズ通信発行B学びと実践と発表の場を設けるC例会参加人数を増やす
《経営部会(同:南・内田)》
@パネルディスカッションの実施Aベーカリーの課題研究・未来検討Bこれからのベーカリー・異業種見学C経営相談室の活性化
《商品部会(同:宮所・舩田)》
@健康パンについての勉強会(9月予定)A講師を招いての技術講習会(10月予定)Bワインに合うパンと食材の提案会(11月予定)Cサンドイッチのバラエティコンテスト(12月予定)

協賛会員による製品の紹介
◇田中食品興業所
▽熟成焼きいもフィリング=2カ月間熟成させ甘みが増したさつまいもを使用。焼き工程を加えてさつまいもの甘みをさらに引き出した。熟成いもならではのなめらかな状態を表現。
▽国産栗のブラウンマロンフィリングN=国産の渋皮付蒸し栗の豊かな風味とこだわりの副素材(生クリーム・ラム酒)でスイーツ風邪の味わいに仕上げた。焼き込みからトッピング、仕上げまで幅広く使える。

◇友栄食品興業
▽メルチェシリーズ=英語の「メルティ(溶けやすい)」、イタリア語の「ドルチェ(甘いもの)」「ルーチェ(光)」から口溶け良く、滑らかなクリームをイメージした造語。第2弾:とろーりコクがあり夏にぴったりな「夏季限定メルチェマンゴ」、第3弾:とろーり滑らかでスイートポテトのような「秋の味覚メルチェポテト」、第4弾:とろーりコク深いエスプレッソコーヒーの味わい「大人の味わいメルチェコーヒー」。

連続講話「パンの耳」第27話
〈良好な人間関係づくり〉
M木輪 代表取締役 芳野栄氏
 リテイルベーカリーの共通問題の一つとして、人材不足が挙げられます。新入社員が入ってきたものの短期間で退職していく、新たに募集しても集まらない、人が育たないなど人材不足が慢性化しているようです。
 短期間で退職していく理由を挙げてみますと、社内の人間関係がいまひとつということ。また、職場の雰囲気が悪いことも、その原因も人間関係の悪さにある場合が多いように思います。
 さて、この人間関係をどのように考えれば良いのでしょうか。人間関係を考える上でとても大切なことがあります。それは「人間関係は元々悪くなるようになっている。また、人間関係は努力しなければ悪くなる一方であり、良くなることはない」ということです。
 私たちは、本能的に自分のことを守ろうとします。また、日頃から自分のことが大切だという思いがあり、自分の意見や考えを優先させよう、押し通そうとします。自分の周りの人たちもそれぞれに自分のことを守ろうとし自分の意見や考えを優先させようと考えたり押し通そうとします。その結果、意見や考えが対立し、人間関係が悪くなっていきます。また、相手を見ただけで、この人とは「気が合いそうだ」とか「この人は気難しそうだ」と瞬時に判断してしまう心のクセが私たちにはあり、知らず知らずのうちにそうした思いが働いて人間関係を悪くしていくのです。
 良好な人間関係を築こうとする上での努力(行動)も大切です。良好な人間関係は、もともと与えられるもので、自分からつくり上げる努力(行動)をしなければいけないという考えをしなければ良好な人間関係はできず、人間関係の悪さを「あの人が〜だから」と相手のせいにしてしまう結果となります。これでは良好な人間関係は望めません。
 それでは、良好な人間関係を築くためには、どうすれば良いのでしょうか。まず、自分のことを優先させない、自分のわがままを押し通さないといった相手に対する思いやりを持つことです。また、良好な人間関係を築いていこうと努力する中で、相手の良いところに目を向けていくことが大切です。相手が悪いからと相手の悪いところをいくら指摘し、そこを正させようとしても益々人間関係は悪くなる一方です。そうではなく、自分の欠けているところ、未熟なところに気付き、そこを自ら正すことで魅力的で人から好かれる人物にまず自分がなることです。それで相手との距離は縮まるはずです。相手を変えようとせず、自分を変えていくのです。そのことで相手との良好な人間関係が出来上がっていくに違いありません。
 良好な人間関係のある職場から、良好な雰囲気を持った社風が出来上がります。良好な社風の職場では「短期間で辞めていく」「人が育たない」という問題は起こり難いでしょう。
 今こそ、経営者、社員が一体となって、思いやりの心で良好な人間関係づくりを推し進めなければなりません。

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当日の参加者全員