くるみの定期的な摂取は、平均寿命の延伸および
心血管疾患による死亡リスク低減関連が明らかに

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 カリフォルニア州フォルソム(2021年8月19日)ハーバード大学T・H・CHAN公衆衛生大学院の米国の高齢者を対象にした研究によると、くるみの摂取量と頻度両方の観点から、くるみを摂取しない人に比べ、くるみの摂取が増えるほど、死亡リスクが低減され、さらに平均寿命が延伸する可能性があることが明らかになった。
 ハーバード大学T・H・CHAN公衆衛生大学院栄養学部上級研究員で主任研究者を務めるヤンピン・リー氏は、同研究結果を受け、次のように述べている。
 「今回の研究から、1週間にひとつかみのくるみを数回食べるだけでも、特に普段、食事の質が良好ではない人の寿命促進に寄与する可能性がわかった。健康増進を目指す人にとって、実現可能で有意義なヒントになることが期待される」
 同研究は、カリフォルニアくるみ協会による資金援助を受けたもので、医学雑誌「Nutrients」で発表された。同研究によると、1週間につき5つかみ以上のくるみ(ひとつかみ約28g)の摂取が、死亡リスクと平均寿命に最大限の有益性をもたらす可能性があることが判明。1週間に5つかみ以上のくるみを食べることにより、摂取しなかった人と比較して、(全死因)死亡リスクは14%低く、心血管疾患による死亡リスクは25%低い。また、平均寿命は約1.3年延びるという結果が出た。1週間に2〜4回くるみを摂取する人の場合でも同様の有益性を得ることができ、くるみを摂取しない人と比較して、死亡リスクは全体で13%、心血管疾患による死亡リスクは14%と低く、平均寿命は約1年延びることが分かった。さらに、慢性疾患リスクを予測する食品および栄養素に基づいた実証済みの指標によって評価されているように、普段最適ではない食生活を送る人の間でも、1日あたりのくるみの摂取量を0.5つかみ分増やすだけで、有益性が得られ、死亡リスクは12%低減し、心血管疾患による死亡リスクは26%低くなるといった興味深い結果も明らかになった。
 同研究のために研究者が調べたのは、1986年に行われた看護師健康調査の対象となった平均年齢63.6歳の女性67014人と医療従事者追跡調査に参加した平均年齢63.3歳の男性26326名のデータ(両コホートにおけるくるみの摂取の初回収集データ)。参加者は、調査参加時、比較的健康で(がん、心臓病、脳卒中等は認 められず)、約20年間(1998〜2018年)追跡調査が行われた。さらに、4年毎に参加者の食事摂取の評価を実施し、参加者はどのくらいの頻度でくるみやその他のナッツおよびピーナッツを摂取したかといった食事摂取全体について、運動や喫煙状態等のライフスタイル要因について報告した。研究者は、このような長期にわたる調査により、くるみの摂取と寿命に関連する多様な健康指標との関係性を特定することが可能となっている。
 前向き観察研究として、これらの結果は因果関係を証明するものではないが、同研究ではくるみの摂取が如何にして、寿命を促進する健康的なライフスタイル全般をサポートできるかを解明するためのヒントとなっている。くるみの摂取量が多い参加者ほど、身体的により活発で、より健康的な食生活を実践し、アルコール消費量はより少なく、また、マルチビタミンを摂取している傾向があった。同データの収集は、新型コロナウイルス感染症が流行する前に実施されたという点に留意する必要があるが、このような個人のライフスタイルはすべて平均寿命に影響を与え得るもの。研究者は自身の分析でこうした側面を踏まえて研究の分析を行っている。

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