中国四国九州沖縄地区包装食パン表示検査会
会員の自主的な表示の改善に役立てる

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阿部氏

検査の様子

検査の様子

 日本パン公正取引協議会(飯島延浩会長)は3月10日、広島市東区の広島ガーデンパレスで「令和4年度中国四国九州沖縄地区包装食パン表示検査会」を開催した。

 同検査会は、中国・四国・九州・沖縄地区で販売されている包装食パンについて、包装食パンの表示に関する公正競争規約に基づき表示の実態を検査し、包装食パンの表示の適正化を図るとともに製パン業の公正な競争を確保するための資料とするもの。検査対象商品は、中国・四国・九州・沖縄地区で販売されている包装食パン20商品。検査員は、一般消費者10名。検査方法は、検査員が検査項目に従い検査対象商品の表示の実態を検査し、その状況や表示に対する検査員の主観による評価を記載する。検査後、意見交換会で検査員から表示に対する意見を聴取し、規約の運用に役立てる。
 当日は、公正取引委員会事務総局中国支所取引課取引第一係長の村實拳汰氏、広島県環境県民局消費生活課消費相談グループ主査の佐々木克章氏、一般社団法人全国公正取引協議会連合会の水内満喜子氏を来賓に迎え、新型コロナウイルス感染症対策のため、会場でのソーシャルディスタンスの確保等を行い、出席者に対して入場時の検温の実施、マスク着用、手指の消毒等行なって実施された。
 開催に先立ち、一般社団法人日本パン工業会専務理事で同協議会理事の阿部勲氏が次のように挨拶した。
 パンは、米と並んで私たちの食生活に不可欠な主食になっている。また、災害等の発生時においてパンは、すぐに食べられる衛生的な食料として重要なものになっており、製パンメーカーは日常と緊急時に消費者の期待に応えられるよう、より良いパン製品を安定的に提供することを社会的使命として努力を続けている。
 このような努力の一方で、他メーカーとの競争もあってそれぞれの創意工夫で新しい商品の開発や販売価格を抑えるためにコスト削減を強化している。そのような中で、内容重量を少なくすることや他社との違いを強調するあまりに表示の表現がオーバーになるような事態が全く無い訳ではないため、パンには、他の商品と同様に食品表示法による食品表示基準が設けられており、平成12年から包装食パンの公正競争規約の運用に取り組んでいる。
 製パン企業は、食品表示法や景品表示法等の関連法令、公正競争規約に沿って表示の適正化に努め、消費者の適正な商品選択に役立つよう努力しており、こうした表示が消費者に納得してもらえているのか、どのような評価をされているのかについて、業界全体が関心を集めている。
 本日の検査会は、このような趣旨で開催しているため、消費者の立場として忌憚のない評価や意見・質問を出していただければ幸いに思う。
 様々な原材料が高騰している反面で、消費者の節約志向も強まっており、パン業界としては消費者に値ごろ感のある商品構成を含め、幅広いニーズに応えられるような製品やサービスを安定的に提供することをさらに進めるため、支援を賜りたい。
 続いて、来賓を代表して村實氏が挨拶した後、同協議会専務理事の山下剛氏が公正取引規約と検査方法の説明を行い検査が始まった。
 検査終了後には、意見交換が催され、水内氏、佐々木氏、村實氏がそれぞれ講評を述べて終了した。
 検査結果の取扱いと意見交換会における主要な意見等は次のとおり。

《検査結果の取扱い》
 表示検査会の結果をもとに、同協議会専門部会で、今回の検査会に出された20商品の取扱いを検討した結果、全20商品について直ちに不当表示または公正取引規約違反に該当する商品はなかった。なお、非会員1商品について、保証内容重量が表示されていなかったことから、公正取引規約違反には該当しないが、公正取引規約の普及・啓発を図る観点から、表示の適正化を要請した。
 また、今回検査員から出された意見は、今後公正競争規約を見直す際の参考資料として活用するほか、会員の自主的な表示の改善に役立つよう会員に対して情報として提供された。

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検査会出品商品

意見交換会の様子